電力会社転職事例の第3弾です。
今回は、事例を出せと言われると何人もいます。
こんな言葉はありませんが「社内転職」の巻です。
前に、電力会社に入社しても定年まで在籍できるかどうかわからない。
転職を考える前に、グループ会社への出向という考えはないか。
という記事を書かせていただきました。
※電力会社就活生必読!あなたの業界や従業員イメージは間違いです。
※電力会社を「辞めたい」とか「辞めた」方の多いのに驚きました。
2000年の自由化以降、電力会社も解き放されたようにグループ会社を設立しており、100社近くになる会社もあります。
今回はとりあえず、東京・関西・中部電力を確認しました。
種類としては大きくわけて、
- 自由化前から電力会社を補完するためにある会社。
- 企業シーズを活用したビジネス。
- これまで外注していた業務の内製化。
- ジャストアイデアで起業した会社。
というところでしょうか。
それぞれについて解説いたします。
グループ会社に転勤・出向する場合「電力会社に籍を置いたまま」と「籍を移してしまう」ケースがあります。
その昔は、グループ会社に転勤する時「あいつは上司に睨まれたから島流し」とか言われましたが、今ではそれを目指して入社する方もおられるようです。
人事経験者の後輩に言わせると、そんな考え方は「本末転倒」と言いますが、私はそうは思いません。
ましてや悩み多き若者にとっては、これから面倒で難しい転職に悩むよりも、こっちの方が気が楽なように思います。
自由化前から電力会社を補完するためにある会社。
自由化の前からすでにいくつかのグループ会社がありました。
電気工事の受託会社、電気メーター・碍子・アームなどを扱う会社等などです。
また電力会社関連団体なども出向先です。
特徴的なのは不動産会社です。
電力会社は管内全域にわたり、多くの土地を所有しておりました。
送電鉄塔・送電線下、電柱用地、変電所・電力所・営業所、社宅・保養所などさまざまな用途です。
自由化の前は、これらの土地を取得し管理するだけの業務でした。
群馬県の景勝地で、水芭蕉で有名な「尾瀬ヶ原」の約40%は東京電力が保有しております。
以外でしょう?
企業シーズを活用したビジネス。
この辺りが転職を考える社員のみなさんのターゲットになるのでは無いでしょうか。
電力会社は実は大化けするのでは無いかと思えるようなシーズや資源を保有しております。
私も自由化前の何年かは本社に勤務しておりましたが、200人くらいの大所帯でこの部分の新規事業を検討する部隊が編成されていました。
ある意味、大変な活況を呈していた記憶があります。
権益を奪われるなら、その分新規事業で取り返そうというような勢いでした。
メインの、不動産・光ファイバー・ガスをご紹介します。
不動産事業
さまざまな目的で土地を保有しておりました。
電気事業のために必要な土地は利用することはできませんが、社宅、保養所用地などはロードサイドビジネスには最適で、今では収益化目指して姿を変えています。
山奥の送電線下の土地は、ゴルフ場、お墓、牧場にできないか。
真剣に議論しておりました。
売却したものもあれば、老人ホームにして地域に定着化しているものも多くあります。
これにハマった男は前にご紹介いたしました。
光ファイバー
館内全域に広がる発電所。
いろいろな電源種がありますが、それぞれ機能的かつ機動的に組み合わせて全域の需要を賄います。
この全体の出力調整などは各社「給電指令」で行います。
需要と供給を調整し「安定供給・電圧・周波数」という電気の品質を守っています。
この判断は一瞬で、その連携のための光ファイバー網が全域をカバーしています。
このファイバー網を活用し、通信事業に乗り出しています。
ガス
火力発電所の運営のためには当然「天然ガス」が必要です。
そのための先物取引などのノウハウは十分で、電気・ガスの一括契約を目指して営業活動を続けています。
これまで外注していた業務の内製化。
商社に全面委託していた、燃料調達を現地法人に出資したり、合弁会社を設立したり、自ら行おうとする試みがこれに当たるでしょう。
また決済サービス、設計、建物品質保証などもそうではないでしょうか
ジャストアイデアで起業した会社。
これこそ多岐にわたりますのでご自身でお調べください。
前にも申し上げましたが、北海道電力が東京の八重洲で北海道物産店を展開していたのには、本当に驚きました。
北海道電力の友人に聞くと、「全国のデパートで北海道物産展をやると必ず成功するらしいから」ということでした。
当時は各社「なんでもあり」状態でした。
古臭い電力会社も時代の転換点にきたと思いました。
まとめ。
何十もあるグループ会社のうち、わずかですがご紹介いたしました。
転職希望の方の「気づき」になれば幸いです。
これだけあれば、ご自身にあった会社も必ずあるはずです。
また電力会社の関与具合も重要です。
出資しているだけか、経営に深く口出しするのか。
転職までしたかった人が、電力会社がごちゃごちゃ干渉してくるのは嫌ですよね。
よく雰囲気を調べてください。
グループ会社に出向する際、籍を移さずに電力会社から給料をもらいながら勤務するべきか、籍を移して電力会社とは縁を切ってしまうべきか。
あまり差がないような気がしますが、ご本人にとっては大きな問題なのでしょう。
もうほんとに「電力会社が嫌」と思われる方は転籍です。
その代わり、電力会社が資本撤退するとかの事態になれば、身分保証はなくなります。
昔はグループ会社の社員も身内と考え、資本撤退などなかったと思いますが、自由化以降はクールに採算だけを考えるとはずです。
この辺りが「社内転職」のポイントです。