太陽光発電パネルの設置には蓄電池が必要。共同購入も選択肢です。

女性技術者 自由化ビジネス

先般の記事で、メガソーラーに関しては7つの理由を添えて全否定させていただきました。
※太陽光発電「メガソーラー」は環境破壊。やめるべき7つの理由。

住宅への太陽光パネルの設置に関しては東京都の義務化決定に驚きながらも否定はしていません
※東京都の「太陽光パネル設置義務化」の条例が成立。信念が必要です。

ではお前が考える「太陽光パネル設置の最善策はなんなのか」という点です。
結論から言うと、

  • 蓄電システムを併用する。
  • 電力会社への販売を目的とせず、自家消費+非常用電源という考え方にたつ。

この前提で、個人で検討するのではなく、ご近所さんでも構いませんので複数世帯での導入を検討すべきだと思います。
また住宅メーカーさまにも、近隣住戸を1ロットとして考えることをご提案します。
要は共同購入です。

なんで蓄電システム併用、太陽光パネルだけではダメ?
全量固定買取で儲けたいんですけど無理ですか?
という疑問には上記URLの記事で解説していますので参考にしてください。

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なぜ共同購入?

今回記事にさせていただく内容は、法的・技術的に詰めたものではありません。
東京都が大胆に「義務化」を打ち出したものの反対意見も多く一般人にはよくわからないと思います。
反面、「太陽光パネル」で検索すると「今がお得」「自治体からの補助金あり」とか、営業メッセージが舞い踊り、何が何かわからないままに人生最大の買い物を決断しなければならない。
そんな感じだと思います。
今回は私のジャストアイデアですが、もし共感いただける事業者さんがおられるならば、ご一緒に深掘りしたいと思っています。

なぜ共同購入か。
一人で決断するには、思いも寄らない盲点が多いからです。

コスト

蓄電システムの値段は現状100〜200万円と言われています。
例えば3000円/月の電気代節約になるとして、36000円/年。
蓄電システムで回収には最低でも30年かかる計算になります。
蓄電池の耐用年数は15〜20年です。
無理です。
でもこれから大幅に安くなると思います。
だからもう少し待ったら?
と前に申し上げましたが、我慢できないみたいですね。
でも加えて、太陽光パネルのコストも考えないといけません。
これも150〜200万円といわれますが、おそらく設置費用だけだと思います。
パワーコンディショナーなんていう直交変換装置が必要なのはご存知ですか。
定期メンテナンス費用も必要です。
耐用年数が過ぎれば産業廃棄物で処理費も必要で、今後必ず問題になります。
相当なメーカー努力がない限り、自治体の補助で賄えるとは思えません。
お宅一軒で導入されるなら、相当な助成金が必要です。

何度も言いますがネット界隈で、上記のような、気が付きにくいイニシャルコストやランニングコストの計算まできっちりと言及されている企業サイトと出会ったことがありません。
あれば本当に立派な会社です。
探し当てれれば、ご紹介します。

固定価格買取制度の変容

これも何度も申し上げていますが、福島事故後の「火事場泥棒」のような制度は瓦解しつつあります。
当然の流れです。
@42円/hで20年間買い取り、負担は「再エネ賦課金」とか綺麗な言葉で、需要家に押し付ける。
こんな馬鹿げた制度は当然淘汰されます。
一般のご家庭の場合、単純化して言いますと、@17円/hで10年間に減額しています。
「火事場泥棒」的儲けはもう過去の話です。
まだ「固定価格買取制度があるのでお得」みたいな謳い文句が見られますが注意です!

蓄電システムの特性

蓄電システムそのものへの勘違いもあります。
蓄電池が1台あれば電気代は激減するし、非常時も電気使い放題と思っていませんか。
そんなはずありません。

大きさ

蓄電システムを併用する。
といえば屋根の上のパネル以外にも蓄電池を設置するスペースが当然必要です。
パネルは各家で分担し、蓄電池そのものやパワコンは、何軒分かを大きいもので共用施設するという発想です。
また、設置条件も直射日光のど真ん中だとか、明らかに結露が起きる場所に設置するわけにいきません。
狭隘住宅には辛いと思います。

最大出力・蓄電容量

次の勘違いは蓄電容量です。
例えば真夏に災害が起きた時、電力供給網が復旧するまで、少なくとも1週間くらいは同じ生活ができると思っておられませんか。
クーラーを1日フル稼働させ、冷蔵庫や洗濯機などの家電を非常時にも使えるように、太陽光と蓄電池を設置。
とんでもないです。
今主流の蓄電池の最大出力2kw、容量は5kwhが多いということです。
普通の生活すれば約4時間程度と言われています。
善良な業者さんは、空調を調整できる・冷蔵庫の食べ物が腐りにくいという一歩引いた表現をした上で、非常用電源にも使えるので検討してみては、という言い方です。
この業者さんは信頼できると思います。

その他

その他太陽光パネルと同様、メンテナンス、保証期間、耐用年数後のバックエンドの問題など確認すべき点は多くあります。

まとめ

各戸で太陽光パネルと蓄電システムを一挙に設置するのにはかなり無理があると思っています。
詳細には存じ上げませんが、まだ4〜5割高いと思います。
リスク分散も兼ねて、裏3軒両隣の6軒で考えればどうなのか。
という発想です。
これが小型のマンションでも同様です。
子育て真っ最中でご家族の多い家庭もあれば、子供が巣立ちご夫婦2人暮らしもあると思います。
うちは余裕のある部屋や土地があるからメインプレイヤーになります。
というご家庭も必ずあると思います。

かなり大きなシステムが組める場合、どういう考え方が成立するのでしょうか。
自家消費+緊急需要、その容量を超えて初めて固定価格買取の検討です。
まあそこまでは無理でしょうが、確実に電気料金の値上げ基調の中で、検討する値打ちはおおいにあるのではないでしょうか。

太陽光と蓄電池に関しては「自由化ビシネス」のカテゴリーで記事にさせていただきます。
今回のアイデアに共感いただける方は是非ご一報を。
本記事の続編を2〜3記事、書きたいと思っています。



私にもし住宅メーカーさんからオファーがあれば上記会社と相談させていただきます。
電気自動車のテスラさんですので、当然蓄電システムにもなれておられていると拝察しております。

自由化ビジネス
塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。