電力会社のお仕事、きつい・楽? つまらない・楽しい?
また今年も就活生がブラックスーツに身を包み、苦労される時期がやってきました。
私自身も娘世代も不況時の就活だったため、なんとなく暗いイメージしかありません。
でも今は人手不足。
当時は「ゴキブリ・ルック」と言われました、が今や「ドジャース、翔平・真美子ルック」
らしいです。少子化の中、この傾向は続くように思えます。
就活生諸君に有利な就職環境になることを心から祈念いたします。
これまで「電力会社雑記。就活生の電力塾」サイトを運営してきましたが、電力会社は過去
にも増して就活生に人気と伺いました。
この「売り手市場」になんで安定志向?
あれだけ物議を醸しだしている業界なのに?
しかも入社されてからトラブルが多いのか、転職希望も多いとも聞きます。
なかなか現代っ子の思考パターンは年寄りには理解できません。
実際、安定志向で電力会社の難しい選考をパスしてめでたく入社。
でも思ったイメージと違うので転職したい(した)が、テーマのサイト・YouTubeがいかに
多いことか。
電力会社の仕事はきついのか・楽なのか、つまらないのか・楽しいのか。
そもそもどんな仕事なの?
皆様の疑問はひしひしと伝わってきます。
就活・転職支援サイトもいくつか見ましたが答えはありません。
あたりまえです。
ネガティブな情報を出せるはずがありません。
就活・転職支援サイト運営者は、「就活生に転職希望者が多いと言えませんし、転職希望者に
就活が悪かった」とは絶対に言えません。自社の仕事を自ら否定することになります。
何よりも就活・転職市場が活性化しないと利益がでません。
なんとか若者の背中を押すのが彼らのビジネスでしょう。
お得意様のメリット優先で、背中を押された若者の先行きを慮っているようには見えません。
サラリーマンを40年やってきた爺さんの感想です。
となると、
そこを分析するのが「電力会社雑記。就活生の電力塾」の役目かもしれないと思い至りました。
熟慮の末、ひとつの結論を得ました。
電力会社だけでなく、どの会社でも一緒と思われる部分もあると思いますが、就活生、特に
電力会社を目指す方には是非知っていただいたほうが良い情報をお伝えしたいと思います。
特に仕事の内容紹介は、筆者の経験からのリアルな話をお伝えします。
おそらくこのような解説記事はどこにもないと自負しています。
書き出すと考えが進み、大変長編のコンテンツになってしまいました。
で事務系・技術系あせて10万字越え。辛抱強くお読みください。
絶対に損はないと思います。
企業と就活生の意識ギャップ。
全く立場の異なる人間が会う時、ましてや初対面で今後長く付き合うことになるかもしれない。
お互い相手の何を知りたいと思うでしょうか。
ここを熟慮するのが基本であり就活成功の秘訣です。
就活生は面接では是非これを意識してください。
相手は光り輝く電力会社の採用面接官、自分の人生を決める神のように見えるかもしれません。
でも意識しすぎて当日何も思いを伝えることをできなかったというのも申し訳ないので
ハードルを下げます。
面接官は、本当はそんなに神々しい人たちではありません。
組織の中で、希望したのかそうでないかはわかりませんが、人事の採用業務にあてがわれた
だけの社員です。でも彼らには歴史が培ったマニュアルという武器があります。
個々の役員や有力者との関係性、すなわち「コネ」を気にしながら、マニュアルに沿って
就活生のみなさんを観察しているだけです。
この人は仲間に馴染めるか、輪を乱さないか。
一般企業なら、会社の収益に貢献できるかというのが大きな選考要素ですが電力会社の
人事採用にはその感覚はあまりありません。頭良くて従順、ストレス耐性もまあまあ。
中に面白いやつ、体育会、超美人・イケメン、こんなのがいたら印象には残るよね。
そんな程度です。
仕事ができるかどうかなど、入社してから鍛えれば問題なし。
技術系はどんな技術を持っているかくらいは確認しておこう、という感じです。
かたや皆さん方はどうでしょう。
なんの武器もありません。自分で考えるしかありません。
就活サイトや就職コンサルの真偽不明ページを読み漁り、面接で少し洒落ていて頭がよさ
そうでしかも面白い人間と思われるコメントを。
しかもできるだけ自分の疑問点を解決しておきたい。
わずか10分程度の会話に人生を賭けるがごとくの力の入りようです。
相手は何十人、へたしたら何百人もの学生と面接しています。
電力会社の内実は謎の中の謎。この就活生と採用担当者のギャップが、電力会社の就活は
難しい入ってみたが何かが違うということになっています。
「電力会社雑記。就活生の電力塾」では、
電力会社側の内実をお知らせすることで、可能な限りこのギャップを埋めたいと考えています。
彼らに対抗できる武器を手にしていただくまでは無理ですが、
「入社したらどんな感じ?」という疑問くらいはクリアにしたいと思います。
前述のとおり、採用担当者と就活生の知りたいことが大きくすれ違っています。
次に解説します。
面接の場は同床異夢です。
面接の場は、良い会社に入社したい就活生と、できるだけ良い学生と出会いたい採用担当者。
目的は同じですが、思考パターンは全く違います。
企業が見ているのは、就活生の能力や志向などではなく、性格や生活態様です。
自分たちの仲間として迎え入れるに相応しいかどうかです。
したがって質問は漠然とし、評価軸は就活生に見えにくくなります。
対して就活生の確認したいことはもっと具体的で、入社したらどういったことが自分の
身に降りかかるのか知りたい。
当然です。
場合によっては定年まで40年くらいそこで生きねばならないわけですから。
でも採用担当者の思いは、そんなこと入社したら分かるというか会社に染まるのが新人
の義務。入社もできていないのに生意気なことを言うな、文句あるなら来るな。
くらいの感じなんでしょう。
特に電力会社では人事部門への配属者はエリート集団ですから、この傾向は強いです。
会社に求められて入社してやった的発想の人たちです。
このギャップが不幸のはじまりで、就活・転職業者の糧なのかもしれません。
企業が就活生に求めること。
経団連の調査で「企業が就職選考にあたって重要視する点」というのを発見しました。
- コミュニケーション能力(87.0%)
- 主体性(63.8%)
- 協調性(49.1%)
- チャレンジ精神(46.0%)
どう思われます。私は文字通りには受け取りませんでした。
最近よく目にする、オタクっぽくて引きこもりのような「コミュ障」みたいな人や、
他人の意見に流される自分の意見のない人、反対に自分本位な人、こんな人はいりません。
バランスのとれた性格の人が必要で、そうでない人は面接に来ないでください。
と言っているとしか思えません。
このように、能力・知識ではなく、性格や生活態様を確認するに過ぎません。
しかもこれは排除条件で、就活生を救い上げようとするものではありません。
ただし、売り手市場となると、この基準のうちどうしても欠かせないものだけクリアして
いれば「まあ、いいか」ということになります。
電力会社の場合譲れない資質は「コミュニケーション能力」と「協調性」で間違いありません。
就活生の知りたいこと。
反対に企業説明会などで就活生が確認したかったことは、
- 具体的な仕事内容(53.6%)
- 社風・社内の雰囲気(46.5%)
- 入社後のキャリアモデル(33.1%)
- 企業が求める能力・人材像(32.2%)
- 入社後の待遇(28.1%)
- 若手社員の話(23.4%)
間口の広い電力会社。1.を完璧に説明するのは不可能と思われますが今回は解決に近づけます。
2.3.5.配属箇所によって全然違います。
4.前述のとおりです。
6.どうぞご勝手に聞きまわってください。
結果、入社してから、
- 人間関係がいやでたまらない。
- いなか勤務に辟易としている。
- 飲み会が多く、休日に行事が多い。
- 仕事に無駄が多い。
- 会社の将来に不安を感じる。
- こんなことをするために入社したのではない。
だから転職したい(した)ということです。
これは他記事でも書きました。
https://denryoku-jyuku.com/yametai-yameta/
このあたりも随時解説しています。
最も気になるグループの解説のサマリーを公開します。
みなさんの最も気になる人事部【採用グループ】も事務部門の一つのグループとして記載しています。
でもサマリーを少しだけ。
とか考えているでしょうか?おおいに疑問です。
✓相手はつい2~3年前にみなさんと同じ席に座っていた元就活生です。
「採用業務」の意味など理解しているはずありません。
✓厳しい上司から「なぜこの人を採用するのか?」と詰められた時にどう答えるか。
それしか頭にありません。求めるのは上司に説明しやすい「わかりやすさ」だけです。
✓「わかりやすさ」とは「具体性」です。
✓仮想人事部長にあなたの採用理由をどう印象的に説明できるか。やってみてください。
みなさんが「神」のように感じる採用担当者。ノウハウを知れば恐れるに足りません。
「みんな知らない電力会社のお仕事。超具体的解説:文系(事務系)。」
の人事部【採用グループ】で詳報させていただいています。
解決したいと思います。
40年間、会社にしがみついてきたというか、定年まで会社に残り、最後の日に同僚から
記念品と花束を贈呈されるのが当たり前と思ってきたジジイには、転職などカルチャー
ショックでしかありませんでした。でも実態として、若い人は簡単に転職に向かいます。
それを煽り商売にしようとする人たちのせいでしょう、と思っていましたが、今の就活
制度に問題ありきとは夢にも思いませんでした。
面接する側は来る学生の生活や資質だけを確認できればいい。
学生はもっと具体を知りたい。
わからないことだらけで入社するので、耐えられないことも多く、我慢できず転職を考える。
私の時代もそうでしたが、電力会社がどんな仕事をしているかご存じないままに入社される
ことに起因すると思っています。
そこで、文系(事務系)、理系(技術系)別にどのような仕事があり何をしているのか。
具体的に部門(仕事)別に解説しようと思います。
就活生の知りたいことの1.です。
加えてできるだけみなさん方の疑問である、雰囲気やキャリアモデル・待遇(2~5)
についても私の経験則で記載させていただきます。部門によって大きく異なる内容ですし、
間口がとんでもなく広い電力業界です。
おそらくこのような解説記事はどこにもないと自負します。
ただ膨大な記事になることはご了解願います。
<留意事項>
✓部門名の呼び方・組織・業務の分掌は電力会社によって異なりますが大同小異です。
とりあえず私の出身電力ベースで書きます。
ああ、私の志望電力会社ではこの部門のことだな。という感じで推測願います。
✓仕事内容は、これも筆者の現役時代の部門構成で書かしていただきます。
ただし、時代の要請で明らかに変化しているという部門は現状の状況を書きます。
筆者の(想像)という表現をしています。基本は大きく変わらないと思っています。
✓記載方法としては、各部門別に私の記憶の範囲で仕事内容を具体的に解説します。
加えて、就活生の疑問や、知りたいと思われること・知っておいて欲しいことを「episode」
として書き加えます。
書き終えてみると予想通り、事務系55,000字、技術系49,000字、合計104,000字という膨大な記事となりました。
自分の経験の全てをお伝えする渾身の記事です。
文系(事務系)のコンテンツは下記です。
みんな知らない電力会社のお仕事。 超具体的解説:文系(事務系)。
理系(技術系)のコンテンツは下記です。
みんなの知らない電力会社のお仕事。超具体的解説:理系(技術系)。