フィーリング? 訳がわかりませんでした。
別の方のお話です。
東京の有名私立大学出身で、入社2年目。
事務系なんで、今は研修をかねて営業所に。
いろいろな部署をローテーションしているそうですが、基本的には営業ということです。
入社して間もないので、いろいろと事前に思っていたことと違うことや、予想を裏切られガッカリすることも多いと思います。
が、フィーリングが合わないから辞めたい?
全く意味がわかりませんでした。
こんなに難易度が高く、希望者も多い会社にパスできたのに、フィーリングが合わないから辞めようと思う。
助言することも特になし。
というか自分には無理、と思っておりました。
ただ意味不明なまま突き放すのもどうかと思い、もう一回だけと思い、詳しく伺いました。
いわく、
エネルギー問題を深く考えたら、今後は「再生可能エネルギー」しかないと思い至った。
ゼロミッションとしての原子力の意味合いはよく理解できるが、最近会社は原子力再稼働に向かっているように思う。
入社面接の際にもこのことは主張し、面接官からもなんの反論もなかったので、認められたと思っていた。
なんか会社から裏切られた気持ちで、周囲に話をしても相手にされない。
会社は営業所の同僚にまで自分を無視するよう手を回しているような気がする。
ということでした。
いかがですか。
私の印象は「こんなやつ、居た居た。」です。
しかも必ず自信過剰です。
入社前に、エネルギー・電力問題、一生懸命勉強されたのでしょう。
それは認めます。
でも、発表する場所と相手を間違え、結果を勘違いされておられるような気がしました。
- 入社試験はあなたの意見をプレゼンテーションする場ではありません。
あなたの人間性や思いを表現する場だと思います。
ましてや、あなたの意見に人事担当から反論がなかったからと言って、その意見が会社に認められたということでは絶対にありません。 - そんな重要な経営方針がそんな場で決まる訳がありませんし、あなたはもちろん、そこにいた採用担当にも、それを決める権限などあるはずないです。
- そもそも、経営方針は電力会社の場合、国民生活に大きく影響するもので、国家的な議論の後に定まるものです。
会社の方針の範囲内で、自分は何ができるか、何をしたいかを考えるのが組織人。
それは電力会社以外でも同じことだと思います。
自分の意見が認められないから会社を辞める、という思いに至るという思考回路自体が理解できません。
ご家族を含め、辞めることの理解は誰からも得られないでしょう。
営業所の同僚まで議論を吹っ掛けておられるようですが、忙しいのに迷惑千万です。
きっと変わり者と思われているでしょう。
何度かやり取りしましたが、集約すると上記のような理由です。
まず、なんで合格したのか理解に苦しみます。
後で考えると電力会社の人事が好むような人だったような気がします。
主張は自分本位で激しいですが、リセットされると非常に素直で従順です。
しかもそう見せようという雰囲気はないので、そういう人なんでしょう。
人事好みのキャラクターの一つとして、参考にしてください。
昔、私の後輩に、電力会社は環境負荷が少ないと思い入社したが、原子力の開発がままならず、化石燃料にばかり依存している。
こういうところに自分の居場所はないと言って退職した人がいました。
当時は「再生可能エネルギー」があまり注目されていなかったですが、よく似てますよね。
典型的電力マン
「きっと変わり者と思われているでしょう。」
という言葉にカチンと来たのかもしれませんが、
「寄らば大樹の陰」にいた人。
「大企業のぬるま湯」に浸かり続けた人。
とか聞きづてならない暴言を吐かれたので、勝手に辞めろ!と思い、無視していました。
ところがある日突然「大先輩への暴言、非礼の数々お許しください。」
という連絡が来ました。
聞くと会社で周囲に聞いたらしいです。
「俺を変わり者と思うか?」
「そんなこと聞いてくること自体変わり者だし。態度が悪く傲慢。嫌われ者。」
と言われたそうです。
ボロクソです。
大笑いしました。
私に「変わり者」と言われた翌日に周りの人間に、抜け抜けと確認しています。
この行動力は仲々のものなのかもしれません。
また、私のいうことにも納得したようで、「どうしたら良いか助言を」ということでした。
傲慢で自信過剰。
実はウラハラな迷える子羊。
典型的な電力マンになるような気がしました。
ここからは素直な良い子でした。
選択肢が多いことは幸せです。
素直にはなりましたが、辞めたいという気持ちは変わらないようです。
独善的な人のようなので、必ず後悔するタイプです。
なんとか止めようと思いました。あれだけ罵られながらも。。(良い奴?)
前に記事にしたように、2000年以降電力会社は大きく変貌をしています。
※ 電力会社を「辞めたい」とか「辞めた」方の多いのに驚きました。
この変貌ぶりがドロップアウトしそうな方の救いになるかもしれません。
この中の「一度ご検討いただきたいのは下記です。」をご覧ください。
引用は以下です。
みなさんのイメージで、少し欠落している部分があります。
定年まで電力会社の仕事を続けられるのかどうかです。
ご承知の通り、2000年の大口電力自由化の際、他業種の業界参入が可能になる代わりに電力会社も他業種に参入できることとなりました。
電力会社がガス事業に参入したことはコマーシャルなどでご存じだと思います。
実はそれだけではなく、どの電力会社も20年間の間に100社近い関係会社を立ち上げています。
「辞める」前に、「そういう会社に異動しての仕事を考えるべし。」というアドバイスをいたしました。
前に自由化以降の仕事の多角化を意識せよ、という記事を配信しましたが、彼も全く意識の外だったようです。
「確かに顧客要望で、不動産やら通信事業やらの会社と同行したことはあるが、上司の指示に従っただけで、それがグループ会社の社員だったという認識は乏しかった。」
とのことでした。
みんなその程度。
その中から自分にあった会社を探すこと。
「変わり者で傲慢な嫌われ者」でも勤まりそうな仕事があるはず。
結果、御仁は帰国子女で英語がネイティブ同様。
というか「私にはそれしか能力はありません。」ということでした。
すごい能力です。
しかも奥様はイギリス人。
電力会社では出向先として、IAEA、世界銀行、LNG調達のためのオーストラリアなど原産国との合弁会社。
プロパーとしては、ニューヨークやパリでの情報収集、海外での発電プラントの建設。
などなど多種多様だったと思います。
彼らしく人事に直訴したらしいですが「特殊な才能なので、将来的に考慮する。」
という返事を貰えたそうです。
一時は本当に頭にきましたが、可愛い奥様の写真もみせて貰えましたし、まあ「よし」とします。
ブログって楽しいですね。