電力会社は楽。本当ですか?生活・肉体・精神、あなたの楽の基準は?

OLさん 企業体質・イメージ

このブログ記事の1本目として、就活生のみなさまの、電力会社に対するイメージの特集記事を書かせていただきました。
今回はその続きです。
※電力会社就活生必読!あなたの業界や従業員イメージは間違いです。

その中で、電力会社の「仕事が楽」というご指摘に、あっさりしすぎた答えをしてしまいました。
引用します。

ただし「仕事が楽そう」という意見もありましたが、そこはどうかと思います。
半分当たっているというか、配属箇所によって大きく異なります。
発電所・営業所などの現場の仕事ではルーチンの職種が多く、日々の業務をこなせば一日が終り、17時半になれば「はいお疲れ」ということが多いでしょう。
反対に本社配属になると、経営に近いわけですから上層部からの飛び込みの仕事、良く考えないと前に進まない仕事、一人で徹夜してでも悩み続けないと解決できないような業務もあります。
忙しい=楽ではないと考えると、本社は決して楽な仕事ではありません。
私も現役時代、月に200時間の残業を強いられたこともあります。

色々な就活生の方々のイメージを解読していきましたので、「楽=忙しくない」という捉え方をしていましたが、「楽あるいは楽ではない」と思われる理由はこれだけではないですよね。
ネットで見ていると気づきました。

「楽あるいは楽ではない」と思われる「物差し」をいろいろ想定しながらもう少し親切に記事にしてみたいと思います。

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「楽」と「きつい」の感性。

「楽」の反対が「きつい」ということだと思いますが、裏腹の関係です。
ある方の「楽」が別の方にとっては「きつい」ということは十分にあり得ます。
「そこが俺にはきついんだ」と思われる方は、そこが改善されれば「楽」になるのに、という見方をしてください。

私自身、会社の仕事や生活を「楽」だとも「きつい」ともあまり感じたことがありません。
ひょっとしたら入社当初は感じていたのかもしれませんが、時間が経過し、少しまとまった仕事を任され、家庭的にも結婚し子供ができた段階で、惰性モードに入って忘れてしまっているのかもしれません。
基本、鈍感なのだと思いますが。
少し、理屈で考えた表現になるかもしれませんが、その際はご指摘ください。

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「楽」の基準。

頭と経験値で考えると、「楽」の基準は、以下くらいかなと思います。

  • 金銭的に安定しているので、生活が「楽」。
  • 仕事がルーチンでホワイトなんで、体が「楽」。
  • 人間関係が難しくなく、ノルマもないので、精神的に「楽」。

お金と身体と精神です。
他にもあったら教えてください。

また前にも触れましたが、電力会社には厳然としたヒエラルキーがあります。
このことはよく登場すると思うので、もう一度記載しておきます。

① 頂上層 東大・京大+地域のトップ国立大学卒
② 中間層 その他の国立大学+私立大学
③ 一般層 工業専門学校+高校

金銭的に安定しているので、生活が「楽」。

データを見ますと、今はそんなことはありませんが、初任給は私の入社当時は他社と比べて低ランクだったような記憶があります。
結婚する前に、妻の実家にボーナスの給与シートを持参しました。
妻の父親は総合商社でしたので、月給と勘違いされたという、笑い話にもならない出来事がありました。
比較的若くして結婚したもので、しばらくの間は残業代に頼るしかありません。
社内預金の利率が8%。
厚生施設は充実し、社宅も10、000円/月というような良い時代もありましたが、最も大きな変化は、やはり東日本大震災でした。
世間には計画停電要請。
経産省電気事業制度部会の「電力会社も当然身を切るべし」という指導は厳しく、給与半額、ボーナスカットなどという会社もあったと思います。
サラリーマンですので、住宅ローン設計をボーナス時3倍とかいう人が多く、サラ金に走る社員もいるのではないかと心配すらされました。
でも、これも公務員ではないので事業リスクの一つと考えなければならないのかもしれません。
大変気の毒でしたが、今では満額ではありませんが、少しもどりっつつあるようです。

一般的には徐々に昇給し、十何年か後に特別管理職(労働側でなく会社側)になる際に給与体系そのものが変更されます。
この時、残業代はなくなりますが、一挙に生活が楽になった印象があります。

やはり決まった金額が毎月振り込まれる、というのは安心感があると思います。

仕事がルーチンでホワイトなんで、体が「楽」。

これは「ヒエラルキー」によります。
③はその通りです。
現場はほとんど巨大技術の塊です。
ルーチン化させる以外に一定の技術品質を保つことができません。
保てない時、保つ必要のないときは非常事態です。

①②は全く違います。
本店支店と現場の仕事の質の違いです。
メチャクチャ忙しかったです。
業務量そのものがストレスです。
忙しい、業務量がストレス=楽ではない。
という方は多いですが、どの会社でも、起業しても同じでしょう。
体力的な「楽」ではなく、楽ではない仕事から「快楽や満足感」が生まれるのではないでしょうか

人間関係が難しくなく、ノルマもないので、精神的に「楽」。

ノルマを達成できずに、圧迫感だらけの社畜状態。
ガツガツ仕事に打ち込み、後ろで上司が竹刀を持ってウロウロ。
これは嘘のようですが本当に見たことがあります。
もちろん他社ですが。
まさかこんなことはありませんが、仕事のクオリティーやデリバリー、厳しく叱責されることは何度もありました。
シャアないな、次、頑張ろう。
こんな感じです。

この程度でプレッシャーと感じ、精神的に「楽」でないとお考えなら、どこの会社に行かれても同じではないでしょうか。
どの程度で精神崩壊されるのか定かでありませんので、なんとも言いようがありませんが、社畜や竹刀と比べたらマシでしょう。

結論。

どんな失敗をされても、大組織ですので、刑法犯でない限りは連帯責任です。
かなり大きな事件でも、会社の屋台骨は揺らぎません。
もっと叱責されるべき社員はすでに紹介してきました。
※変わりたい、変われない電力会社の企業体質。このままでは周回遅れに。

ただ、タイトルにもある「人間関係」については要注意です。
エリート意識の高い集団なので、困った人も多くいます。
特に①②の「ヒエラルキー」の人は巻き込まれたくないドロドロの世界もあります。
その人たちが、一種独特の時代遅れの企業体質を作ってきました。
「人間関係が嫌だから辞めたい」という方も多く、気持ちは痛いほどわかります。
次回に記事にします。

結論中の結論。
自分の会社人生の考え方を決め、ブレなければ「楽」です。
私でも40年続きました。

企業体質・イメージ
塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。