電力会社社員の転職者事例。ーしたたかなキャリア形成で準備万端ー

老人ホーム 就職・転職

「電力会社転職者シリーズ」始めたいと思います。
と言いましても、私の周りにはそう多くの転職者がいる訳でもありません。
ネタはすぐに尽きると思います。
その際は、いろいろな人にヒアリングしながら、できるだけ続けたいと思います。
何人かに話を聞きましたが、当時「こいつ大丈夫か?」と思っていた人も、実はしっかりした考えで転職に向かっていったことを知りました。
とりあえずの感想で転職希望者に申し上げます。
「生半可な考えで転職されるつもりなら、今のままの方が絶対に良い」。
という前提で記事にします。

この記事でわかることは、過去に電力会社からの転職を成し遂げ、成功している人の、

  • 電力会社時代のキャリア。
  • 転職を考えたきっかけ。
  • 転職までの努力、準備。
  • 転職後のキャリア、現状。
  • 転職希望者へのアドバイス。

という感じです。

最初は私より10歳以上、後輩で、いつの間にか不動産屋になっている男です。
タイトルにある通り、転職を考えるならいい意味で今の電力会社内での立場・仕事を徹底的に・したたかに利用すべしという話です。
短い時間でも電力会社に在籍しておられる方には参考になると思います。

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電力会社時代のキャリア。

久しぶりに会うと、いかにもという感じでした。
中堅不動産会社の事業部長で、介護施設のディベロッパーをやっているらしいです。
今の電力業界の体たらくは感じているようです。
「仕事はしんどいけれども、今は家族を食わせるためのしんどさ。
今あの会社にいたら別の辛さがあったはず。
よかったと思っています」ということでした。
誰が見てもそう思うんですね。
おかげで趣旨を伝えると「全面協力します。なんでも聞いてください。」
ということでした。

彼は私同様、ヒエラルキー②、有名私立大学出身です。
電力会社時代は、立地・地域対応・営業と全く異なる部門を渡り歩いています。
本人いわく「便利使い」らしいです。
その後、会社が保有する土地活用を考えようという、また別の部門に転勤しました。
自由化ビジネスの先鞭の部門です。

また違う仕事か。
また一からか。
相当ショックを受けたようです

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転職を考えたきっかけ。

このままではいつまでも「便利使い」で、自分の社内のアイデンティティーはない。
この会社での限界を既に感じたようです。
30歳半ばで。
ここからが彼のしたたかさで、転職の素振りなど一切見せずに、電力会社を利用する完璧な作戦を立てたようです。

電力会社のロードサイドビシネスの一環として「介護付き老人ホーム」の建設・運営を提案し、自ら出向しました。
老人は財産形成に苦労した分、それを失うことを警戒する。
怪しい運営会社が多い中で、電力会社への信頼感は絶対に武器になるというロジックだったようです。

転職までの努力、準備。

「介護付き老人ホーム」の取締役営業部長を合計5年勤めたそうです。
その間、徹底的に介護業界の実態を調べ、経験したそうです。
もちろん営業部長ですから、会社業務には没頭したそうですが、常に転職は頭にあり、自分のための知識の吸収にもいつも心がけていたそうです。

その後、会社に戻るタイミングが勝負と考え、当時の上司である社長にだけは打ち明けたそうです。
それも「この会社に来る前から考えていた」というと協力は得られないと思い、「この会社に来て、介護事業の社会での重要性を感じた」と訴えたそうです。
社長は共感してくれ「どうしたらいい?」と聞いてくれたので、グループ会社の不動産ディベロッパーを指名し異動させてもらったそうです。

当時は悪いと思ったそうですが「嘘も方便、ここで折れたら台無し。社長!申し訳ない。」という気持ちだったそうです。
その後、2年間の不動産ディベロッパー勤務期間中に、「不動産鑑定士」と「宅地建物取引士」の資格を取得したそうです。
というか、自然な形でこの2資格を取得するため、転勤したといっても過言ではないということでした。

資格取得後すぐに彼はめでたく退職しました。
思い立ってから都合7年です。

転職後のキャリア、現状。

退職後すぐに現在の会社に転職したのではなく、一旦介護施設専門のコンサルティング会社を立ち上げたようです。
入居対象者やご家族の相談を受ける会社で、自分の親ならどういう介護施設がいくらくらいで利用可能かの相談に乗り、実際の介護施設とのマッチングまでやる会社です。
起業したいという気持ちはサラサラなく、実際の顧客ニーズは何で、どうすれば顧客満足に繋がるのかを徹底的に知りたいということだったそうです。

その後、予定通り「介護付き老人ホーム」時代に懇意になっていた現在の中堅ディベロッパーの介護施設担当部長として活躍しています。
ご家族向けのコンサルティング業務は、現会社の新規事業として採用されているらしいです。

転職希望者へのアドバイス。

この後輩の凄いところは、自分の社内に置かれた状況に嘆き怒りつつも非常に冷静に自分の行く末を考えていたことです。
目標をロックオンすれば、いくら時間がかかっても、諦めずにキャリアアップや資格取得に向かって行きました。
短気になったり自暴自棄になって、とりあえず会社を辞めるという人は多いと思いますが大損です。
彼の7年は長すぎると思いますが、2〜3年だと思えば、ほとんどのことは我慢できると思います。
その間に、したたかに、着々と準備すべきです。
電力会社は間口の広いメガ企業です。
必ず利用価値はあると思います。

就職・転職
塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。