「電力会社、やめとけ」そう言わざるを得ない不祥事が頻発してます。

謝罪 企業体質・イメージ

福島事故以降、電力会社・原子力の体たらくを嘆き、何とか昔の品位と風格を取り戻してほしい。
電力会社を志望する就活生。
電力会社をこれから担う新入社員。
電力会社は「難しい」とか「辞めたい」とかいう若い方に、何とか思い止まっていただき、もう一度電力会社を盛り上げていただきたいと願ってきました。

自分の人生のほとんどを過ごした電力会社・原子力発電所を否定したくないからです。
重い言い方をすると、自分の人生を否定したくないという思いです。
そのために年齢不相応なブログなんてものを始めました。
この思いは今後も変わりません。
この記事を除いては。。。
私も沸点を越えました。
いろいろと揶揄され、いろいろ言われ、責められがちな業種です。
脇の甘さが命取りになる業界です。

不本意ながら、悲しむ女性をアイキャッチに使ってしまいました。

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福島事故以降の不祥事。

福島事故からわずか11年。
電力業界というか、ほとんどが東京電力と関西電力ですが、さまざまな不祥事が明らかになりました。
法律に抵触するのかどうかはよくわかりませんが、企業イメージの大幅な低下につながったことは間違いありません。

一覧にしてみます。

  • 福島事故後の炉心溶融を認めず、再稼働を意識した東電の記者会見。
  • 東電柏崎刈羽原発での安全対策工事未了の内部告発。
  • 福島事故記念館での土産物販売。
  • 柏崎刈羽原発中央制御室での幹部の警備破り。
  • 福井県高浜町助役からの関電幹部の金銭授受。
  • 金銭授受による追徴課税分の補填。
  • 電気料金値下げによる役員報酬カット分の補填。
  • 中部・関西・中国・九州電力によるカルテル。
  • 首謀であるはずの関電へのリーニエンシー制度の適用。
  • 関電社員の替え玉受験。
  • 関電社員の国家資格「施工管理技士」の不正取得。

※参照:変わりたい、変われない電力会社の企業体質。このままでは周回遅れに。
※参照:電力会社を辞めたい人へ。カルテルで企業イメージは地に落ちました。
※参照:デイリー新潮
※参照:JIJI.com

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一覧から気づくこと。

並びましたね。
こういうふうに見ると、気づくことがいくつかあります。

経営責任のありか。

下から3つ目までは全て東電・関電の経営責任の問題です。

東電の傲慢さ、事故に対する軽い姿勢、エリート意識など、さまざまな企業体質が垣間見えます。
関電の場合は、過去あれだけ「金まみれの原子力」と糾弾されておりながら、改めるどころか会社の役員そのものが金権体質にどっぷりとはまり込んできたということです。
また、役員が総替えになってからも「カルテル」などという利権行為に走るなど、全く改まっている様子はありません。
これらは経営責任の問題です。

にもかかわらず誰が責任を取ったのか、全くわかりません。
裁判も不起訴です。
両社の役員が辞任したことが責任でしょうか。
彼らは辞任しています。
取締役会による解任ではありません。
ようは首ではないので、莫大な役員退職金を手にしているはずです。
認識不足なら謝りますが、誰かが辞退したという情報は聞こえてきません。
その他、退職時の株式など金銭以外の方法で役員だけ手にしている可能性があります。

「自分に優しく、他人に厳しい」体質丸出しです。
部下も「上司を守るのが使命である」的な発想を持っています。
自分が偉くなった時、今度は部下が守ってくれることを期待しているのでしょうか。
間違って上司が残った時に、守ろうとした部下という立場を演出しているのかもしれません。

社員を守るか。

「替え玉事件」「資格不正取得」。
部下が不祥事を起こした場合はどうでしょうか。
こんな時の会社の態度は。
胡麻粒のような社員を守るわけありません。
特に「替え玉事件」は個人に起因するもので、本人に刑事責任が及ぶことは当たり前のことです。
会社は、おそらく「会社の名を貶めた」ことを理由に会社としての処分を考えることでしょう。
「資格不正取得」は個人に起因するものか、会社の関与が認められるか今後調査されるでしょう。
これが役員だったらどうだったのでしょうか。
過去、会社の出張用の交通系のプリペイドカードを、たった1回だけ酔っ払って帰宅時に使ってしまい、責めにあった社員を知っています。
彼は懲戒免職になりましたが、役員は社有車を全く公私混同して使用しています。

業界内の信用と軋轢。

カルテルが発覚したのは中部電力の「内部告発」という報道がありました。
中部・中国・九州電力各社には過去最高という罰金が課され、関西電力にはリーニエンシー制度が適用。
お咎めなしということです。
要は最初に自白したから許す、ということで、アメリカの司法取引を思い起こします。
九州電力の社長でもある池辺電事連会長が陳謝されました。
はらわたは煮え繰り返っておられたことでしょう。

関西電力は世間だけでなく、業界内での信頼も失墜したものと考えられます。
同時に社員の信頼も失いつつあると思います。

「資格不正取得」など、内部の情報がない限り外に出るはずがありません。

まとめ。

冒頭に書きました通り、電力業界はこれからも厳しい状況というだけではありません。
その一挙手一頭足を見つめられ、何かあると重箱の隅をつつくような猛烈な批判を浴びます。
脇の甘さは全く受け入れられません。
これまで、業界内部でガタガタとさまざまな足元を揺るがせるような出来事が多発し、ようやく落ち着きつつあると思っておりました。

東京・関西電力の体制も一新し、さあこれからと思っていましたがこの体たらくです。
「電力システム改革」も発送電分離で終了ということであれば、もう自浄努力しかありません。
とりあえずは東京・関西の2社はしばらくやめた方がいいかもしれませんね。

でもやっぱり心ある若者の正義感に期待したいと思います。

企業体質・イメージ
塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。