【勝手に解明】中国電力はホワイト企業。でも辞めたい社員もいます。

厳島神社 就職・転職

【勝手に解説】電力会社別一記事シリーズ第5弾。
中国電力です。
私にとって「謎」な会社2社のうちの一社です。
というか、他の電力会社に影響されないような文化を持っておられるような気がします。
昔むかし、広島本社を訪問した際に、役員フロアーをご案内いただきました。
ふと気づいたのは、役員室に並んで「イタリア領事館」なる部屋が存在していました。
さすがに質問しましたが「え、どうしたんですか?」という感じでした。
後日調べると、大使館の地方出先というのはさまざまな経緯で設けることが可能みたいです。
今でもネット検索すると、相談役がポーランドの名誉総領事に就任されておられるようです。
なんか企業文化の違いみたいなものを、若い時から感じさせる会社でした。
就活生やら若手社員はどんな見方をされているのか、調べるのが楽しみだった電力会社です。

恒例の条件は、下記です。
理由はこれまでの【勝手に解説】シリーズをご参照願います。

  • 該当電力会社のサイト・SNSは全部チェックしますが、そのままは載せません。
    面白い記載もありますので、私のバックグランドとかの考察を加え、自分の言葉で書きます。
  • 一つの電力会社を除いて、私の主観ですので、ご理解ください。
  • 沖縄電力、J-POWER(旧電源開発)、日本原子力研究開発機構(旧動燃事業団)には、全く知り合いがおりませんので、割愛させていただきます。

記事の構成としては前に記載した5つの理由+電力会社に顕著な学歴による区別
※電力会社を「辞めたい」とか「辞めた」方が多いのに驚きました。

  1. 人間関係が嫌でたまらない。
    体育会系・保守的・閉鎖的な社風でパワハラが多い。
  2. いなか勤務に辟易としている。
  3. 飲み会が多く、休日に行事が多い。
    仕事に無駄が多い。作業そのものも無駄だし、意味のない資料作りばかり。
  4. 会社そのものの将来に不安を感じる。会社の先行きがわからない。
  5. こんなことをするために入社したのではない。スキルが身につかない。(技術系)
  6. 学歴による厳然としたヒエラルキーの存在。
    ①頂上層 東大・京大+地域のトップ国立大学卒
    ②中間層 その他の国立大学+私立大学
    ③一般層 工業専門学校+高校卒

この6点を当該電力会社に当てはめながら評価してみたいと思います。

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中国電力です。

まず、カルテルの引責で、いち早く会長・社長の辞任を表明されました。
潔いご判断だと思います。

私にとって、中国電力の印象というのは2点あります。

  • 冒頭述べたように、社内に領事館を開設されるように「少しぶっ飛んだ感じ?失礼」。「energia」などという愛称を突然名乗り出されました。
    CIとかVIとかが流行り始めた時だったと思います。
    スポーツ振興活動として、競技,女子卓球,ラグビーへの力の入れ方は尋常ではありません。
  • もう一点は「原子力」です。
    世界初の被爆地「Hiroshima」に本社を置く電力会社です。
    原子力に対するアレルギーも想像を絶するものと思っていました。
    中国電力の友達も「それが悩み」と嘆いていました。
    しかも福島と同じBWRです。
    にもかかわらず、島根県の丸山知事が中国電力島根原子力発電所2号機の再稼働に「現状においてはやむを得ない」というコメントとともに同意表明されました。
    地元知事さん発の前向き発言。
    この会社は実は地域対応に秀でた会社なのではないでしょうか。
    初めて伺った時は耳を疑いました。
    ※大手電力会社就職、おすすめ比較。企業体質は微妙に違うようです。

これに関しては「勝手に解説」で語らせていただきます。

会社の将来が不安

これが一番多かったです。
しかも、東京電力がダメになったから、うちもダメになるという意見です。
わけわかりません。
西日本で唯一、福島第一と同じBWRを採用しているからでしょうか。
それとも、東京への憧れが強いのでしょうか。

  • 東京電力の企業文化が当社にも根付いていると思い転職した。
    福島事故後、外部の人に社名をいう機会があり、恥ずかしかった。
  • ポーランド領事館、はあ、会社大丈夫?給料が安い。
  • 上に厚く、下に薄い。ギリ生きていける程度。
    経営が傾く可能性を、下がる給料で感じた。

という感じです。
なぜか深刻で、全電力での離職率も、
東京 14.9%
北海道 8.3%
中部  7.1%
に続いて4番目の、6.6%らしいです。
本気で退場しておられる様子がわかります。

学歴によるヒエラルキー

高卒は県内転勤のみと決められ、夢がない。
しかも転勤や異動が頻繁で、せっかく築いた人的ネットワークが絶たれる。

これはどの電力も大同小異ですが、特に多いような気がしました。
高卒は採用県内のみ。
これ本当ですか?
むしろ高卒で優秀な方がおられれば、企業にとっても非効率的と思えますが。

いなか勤務に辟易

これも他電力と同程度ですが、あえて切り出したのは「高卒は県内から出られない」という前項の意見とリンクするからです。
やっぱり本当なのでしょうか。
高卒で田舎住まいで、都会に出たい人は、やめた方がいい会社なのかもですね。
過去、田舎を抱える電力会社を特集していますが、ここまではなかったです。

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結論

興味深い意見を2つご紹介します。
中国電力さんの辞めたい・辞めた社員のコメントです。
象徴的です。

辞めたい社員。
太陽光発電の受付業務担当になりました。
誰もがやったことない業務を手探りで上司からやらされ、お客様を多数抱えて仕事が回らなくなりお客様にも怒られてばかりです。
毎日辞めたいという気持ちしかありません。

辞めた社員。
現時点の電力会社は、東電以外は魅力的な企業です。
絶対に潰れることはありません。
(経営が悪化すれば料金を値上げ。事故が起きても国が救済・支援。)
給与・福利厚生等は公務員より相当上です。
そんな会社を辞めて転職したら待遇の落差に驚き後悔しますよ。

やった事ない業務を上司からやらされている。
この発想を持つ限りは、どこへ再就職しても、ベンチャーとかやろうとしても無理ですね。
中国電力の待遇は魅力的で、転職したら待遇の落差に驚くらしいですよ。
勇気を持ってという事ならありですが、瞬間湯沸器=衝動は感心できません。

勝手に解明。

何編かこの「勝手に解明」シリーズをお読みいただいた方はお気づきだと思います。
せっかく入社を目指したり、さらに入社がかなっている方に電力会社という人も羨む会社を簡単に辞めるべきではないというのが私の意見です。
ただし東京電力と関西電力を除いてです。
彼らは良識を失っています。
この2社は後日触れますが、オスススメしません。
当然、中国電力もやめるべきでないと思っています。
理由は2点です。

原子力

中国電力さんの抱える原子力発電所は下記の通りです。
島根2号機、   82  万kW、沸騰水型軽水炉。
島根3号機、  137.3万kW、改良型沸騰水型軽水炉、建設中。
上関1・2号機、137.3万kW、改良型沸騰水型軽水炉、建設中。

驚きました!

BWRといえども、福島第一などと比べてもらっては困る。
というようなラインナップです。
技術的に最先端の、Advanced-BWRで、ここまで先進的とは認識していませんでした。
この安全な原子力発電所が稼働できれば、西日本の電力需給は、他電力の原子力の稼働状況を考え合わせると、まさに盤石だと思います。

ただ、口コミにはこの辺りは一件も見当たりませんでした。
これに関しては「Hiroshima」に本社を置きながら、ここまでやってこられた先輩社員の努力や自治体のご理解を素直に評価すべきと思います。
リスペクトと同時に、寂しい思いです。
ここまで仕上げてきている電力会社はありませんよ。
いかな理由があってもここでこの会社を辞める必然性はないと思います。
それどころか、地元のご英断への冒涜のような気がします。

カルテル

大手電力出身の私もこれは驚きました。
競争から縁遠かった電力業界が、自由化で突如、競争環境に放り込まれた過剰反応のような気もします。
ただ、経産省の意図を蔑ろにしたことは間違いなく、国は「怒り心頭に発する」心境のようです。
特に、特高から高圧までという最も広い範囲でカルテルを結んだ中国電力の課徴金は707億円とのことで、清水会長と瀧本社長を退任まで追い込みました。

これは業界としても崖っぷちですが、中国電力個社としても存続の危機です。
大体、どんな不祥事があってもこの業界、なんとなく大丈夫という意識がありましたが、今回ばかりは。
という感じです。
入社したい人は、それなりの覚悟が必要ですし、離職率もさらに上昇するかもしれません。

ただ、広島ナンバーワン企業。
中部電力さんがんばれ、という方も多いと聞きます。
苦労は多いと思いますが、是非若い力で、取り組むべきミッションは明確です。
島根・上関原子力稼働を実現と、企業モラルの再構築です。

年寄りは全員退場です。

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塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。