東京都の「太陽光パネル設置義務化」の条例が成立。信念が必要です。

ソーラー街並み 再エネ

12月7日、東京都の新築住宅への「太陽光パネルの設置義務化」条例がついに可決されました。
「建物が集積する東京の屋根を最大限活用し、2030年カーボンハーフ・2050年カーボンニュートラルの実現につなげていく」ということらしいです。
小池知事得意の横文字会見でした。
2025年スタートの方針で、対象は大手住宅メーカーなど50の事業者。
延べ床面積2000㎡未満・一戸建て住宅を含む新築の建物が対象ということです。
都内で1年間に新築される建物(約46000棟)のうち、半数が対象の見込みとなるということです。
都議会自民党はじめ、さまざまな方がさまざまな理由で反対しておられます。
前にも記事にしましたが、私も反対です。
※新築住宅への太陽光パネルの設置義務化!何んで?耳を疑いました。

理由は論理的でなく、感覚的でした。
でもこれは皆さんにも同意いただけるのではと思っています。
引用します

「太陽光パネルの設置義務化」耳を疑います。
これは個人個人のライフスタイルの問題です。
温暖化対策のために、しのごの言わせずに太陽光パネルを設置させる。
これは義務、嫌なら東京都に家を建てるな。
と聞こえます。
自治体が個人のライフスタイルにまで手を突っ込み強要する。
まるでどこかの独裁国家ですね。

報道記事を見ると、反対論も見えてきます。
併せて、どういう考え方なら「太陽光パネル」の設置はありなのか。
考えてみます。

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報道から見る「太陽光パネルの設置義務化」反対論。

  • 義務化だけを先に決める条例案に賛成できない。
    現段階で事業の是非を判断する材料が十分に提示されていないない。
  • 住宅は大変重要な個人の財産。
    その財産にいきなり設置義務化するというのは、おかしい。
  • CO2削減の実効性が乏しい。
    東京都で太陽光パネルを設置しても、気温降下に対する効果はゼロに等しい。
  • 設置費用は都の補助金が出て、余った電気は固定買取制度、結果6年でコスト回収可能ということですが、「補助金」は税金で、設置しない都民も負担していますし、固定買取は「再エネ賦課金」の上積みにつながります。
    結果、都内に戸建てを建てられる富裕層優遇政策以外の何でもない。
  • 安全対策、反射光などの別の環境問題、廃棄物化、など何も考慮していない。

というところでしょうか。
いちいちごもっともです。

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設置のメリット・デメリット。

前の記事で、両論を公平に併記しているサイトがありましたので参照させていただきました。
そのうちのデメリットだけ引用させていただきます。

  1. 設置費用が高い。
  2. メンテナンスが必要になる。
  3. 発電量が天候に左右される。
  4. 屋根にパネルの重さがかかる。
  5. 設置に向いていない家もある。
  6. 反射光トラブルのリスクがある。
  7. 出力制御が起きる可能性がある。
  8. 詐欺・騙されるリスクがある。
  9. 雨漏りなど施工不良のリスクがある。
  10. パワーコンディショナーの設置場所が必要になる。
  11. 業者の倒産リスクがある。
  12. 確定申告・固定資産税が必要になるケースがある。

設置費用だけは都が助成しますが、あとのいくつかは反対論と重なりますよね。

なんでこんなに拙速?

今回、本当は「自由化ビジネス」について記事にするつもりでした。
「太陽光」をどう考えればビジネスモデルとなるのか、私の考えも書くつもりでしたが、このニュースの方が先に飛び込んできました。
とにかく拙速に過ぎます。

蓄電システムとの併設。

「再生可能エネルギー」は蓄電システムとの併設以外にビジネスモデルは成立し得ないと思っています。
蓄電システムが併設されてこそ、大手電力会社との系統連系がスムーズになり結果「電気の品質」が保たれます。
また商品(電気)が安い時に蓄電(在庫化)し、高い時に販売するという、商取引の基本が成立します。

今は商品そのものが不足し、電力商品取引所(JEPX)も成立していない状況です。
JEPX頼りの新電力が軒並み倒産したのは記憶に新しいところでしょう。
これは原子力再稼働が実現すれば、改善されるものと思っています。
また太陽光パネルや蓄電システムも、これからの企業努力や技術開発により、近々価格破壊するのではと思っています。
時期尚早、ちょっと待ってみてはいかが、という感じです。

儲かるからやるのですか。

太陽光パネル設置の目的です。
東京都の知事は「カーボンハーフ」と「カーボンニュートラル」です。
ネット界隈は、「儲け」一筋というところが多いようです。
都も「補助金」「固定買取」とか言ってます。
それがまたネット界隈を盛り上げるということでしょう。

でも現状の東京都の構想では無理です。
義務化を課すのが大手住宅メーカー50社と言った瞬間に、太陽光メーカーが下請けに入りコストアップがイメージできます。
他にも前述の通り、問題点山積みです。

東京都であるかどうか別にして、太陽光パネルを設置したいという方は、これらのデメリットを正直に全て説明してくれる会社を精査すべきです。
さらにあえて言いますが、蓄電システム併設が可能な業者さんにしつこいくらいお聞きになり、ご自身で納得されることです。
投資に近い、人生最大の支出です。
自治体といえども盲信すべきではありません。
「信念」を「確信」に変えてから行動すべきです。
その中で、東京都の方は小池プランを採用するのかどうか考えたらいいと思います。
私が見つけた十分に相談に乗っていただけそうな会社をご紹介します。
もちろん、太陽光と蓄電システムの併用を訴えておられます。

本当のビジネスモデル。

「自家消費」→「災害・停電対応」→「ビジネス」の順にやってくると思っています。
これは「自由化ビジネス」のカテゴリーで記事にします。

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塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。