電力会社の「人間関係」に悩むあなたへ。辞める前に読んで下さい。

悩む女性社員 就職・転職

電力会社のような大会社に入社すると、いろんな奴がいますよね。
エリート意識と自己保身、加えて訳のわからない人事評価システムが原因なのでしょう。
しかも、陰湿ないじめとかが横行しますので、その鬱陶しさは誰にも理解されません。
親や友達に相談しても「良い会社に入れたのに贅沢」とか言われ一蹴ですよね。
なんとなく理解できるような気がします。

基本、「無視」して「自分に降りかかる火の粉だけは振り払う」ということですが、解決策は最後にお伝えします。
ただ絶対に忘れてもらっては困ることが一点あります。

今は自分や周りのことで精一杯だと思いますが、落ち着いて熟慮できるようになってからで結構ですので思い返してみてください。
この後詳細にご説明しますが、あなたが今お感じになっているような人間関係や雰囲気が会社のどうしようもない「企業体質」を形成していること。
会社のトップで、社の意思決定をする人間の考え方が、あなたの上司や周りにまで影響しているかもしれないことです。
そのことは何度か触れました。
参考:変わりたい変われない電力会社の「企業体質」。このままでは周回遅れに。

私はそもそも無神経なので、「無視」して「自分に降りかかる火の粉だけは振り払う」と書きましたが、繊細なあなたはそれでは済まされないかもしれません。
ある意味、無神経だから40年も続けられたのかもしれません。
私がこのどうしようもない企業体質に気づいたのは引退後。
現役時代だと、どういう行動に繋がったかは自分でもわかりません。
今頃気づいても「ごまめの歯軋り」に過ぎません。

みなさま方には、内在する会社の内実にお気づきいただきたいと心の底から思っています。
今感じておられる「人間関係」などの些細さに気づき、一段上のレイヤーから会社を俯瞰できるようになると思います。

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エリートと「えせ」エリート。

おそらく「人間関係に疲れ、もう辞めたい」とお考えの方に襲いかかっているのは「えせ」エリートだと思います。
何回も申しあげますが電力会社には厳然としたヒエラルキーがあり、

  1. 頂上層 東大・京大+地域のトップ国立大学卒
  2. 中間層 その他の国立大学+私立大学
  3. 一般層 工業専門学校+高校卒

頂上層が醸し出す、エリート意識満々の雰囲気があり、「そうかこういう風にすれば、上から評価されるのか」という考える輩が必ず現れます。
「えせ」エリートです。

これから私自身の経験から例示を列挙します。
あるあるだと思います。

強いものに弱く、弱いものに徹底的に強い。

これは相手が社内でも社外人でも一緒です。

資料を作って直属の上司に掲出するものの叱責の連続。
全く首を縦に振らず、理解できない指示をされ、何度もやり直し。
経験ありませんか。
理由は一つ。
何が正しいかを見ているのではなく、上・さらにもう一つ上くらいがどういう反応をするかだけを考えているからです。
あるべき姿を追求するあなたの意見はガン無視、言い過ぎると怒り出します。

上が役員会で説明することに。
当然ながら、大量の資料作りです。
自分たちの仕事を役員に理解してもらうという意味では納得できます。
ただ命じられたのは、想定問答作り。
指示は「上が何を聞かれても回答できること」。
結果、キングファイル8冊。
質問が出たら、答えを探すだけで15分以上かかります。
このことに誰も疑問を持たず、満足げ。
その想定問答のページをめくることは二度とありませんでした。

技術案件で、国の指導監督官庁への報告資料には気を遣います。
提出資料も言われるがまま。
えらいことです。
でも、県庁への資料はその半分くらい、地元立地町には更にその半分くらいです。
「紙代がもったいないのか」と問いただすと大目玉でした。
事実は一つなのに。
電力会社が怖いのは、指導監督官庁だけ、後は適当で良い。
こんな発言をした奴もいました。
彼の視界には、大漁の時に魚を持ってきてくれる地元の漁師のおっちゃんの姿など全くありません。

自分に甘く、他人に徹底的に厳しい。

新しく赴任する役職者からよく聞くのは、前職場の後任者と新職場の前任者の悪口です。
「後はあんなやつで大丈夫か」「前がダメだったから俺が酷い目にあっている」。
他人との相対比較で、自分を認めさせようとします。
その前に「仕事ぶり」が大切と思いますが。

出向先で電力とはあまり関係ない仕事をするとき、その道の専門家を採用します。
他の会社はその人のノウハウを頼りに仕事を進めていきますが、電力会社は違います。
どんなプロフェッショナルでも「他人には厳しい」です。
一応「三顧の礼」で迎えるふりはしますが、本音はノウハウだけを盗んで自分でやろうということです。
その後、その道のプロは知らないうちにいなくなります。

企業体質の構造。

どうですか、こんな感じですか。

エリート集団は、他企業と違い、営業や生産に携わることを嫌がります。
電力会社の場合、営業は自由化以降の顧客の繋ぎ止め。
生産は、発電所や立地部門です。
これらが会社が生き抜く原動力でコアのであるはずなのに。
企画・人事・総務などの内部管理部門ばかり希望します。
営業や生産部門は自分たちのようなエリートが行くような部署ではない。
そこに行く社員を管理するのがエリートたる自分たちの仕事と思っています。

そういう膿が70年間溜まり続け、堰を切ったように溢れ出ました。
それが、原子力をめぐるさまざまな信じがたいような不祥事です。
こんな人たちに共感し、慮り、忖度し、気に入られようとする人が、たまたまあなたの周りにいただけのことです。
2〜3年経てば、いなくなります。
また本当に「人間関係」を築くべき相手も見えてきます。
いかにつまらないことに悩んでおられたのかがお分かりでしょう。
人事評価が明確でなく、透明性が低いことにも原因があると思います。
電力会社を取り巻く環境が激変し、70年連綿と続いてきた企業体質は淘汰されようとしています。
電力マン全国で15万人も居られれば、化石のような人間も10%くらいはいます。

あなたが電力会社でやるべきことはいっぱいあります。
特に、こういう社員との「人間関係」に悩まれた方には。

冒頭、「無視」して「自分に降りかかる火の粉だけは振り払う」と申しましたのはそういう意味とご理解ください。
是非問題意識を共有いただき、まともに現場で一生懸命やっておられる方々を厚遇できるようなシステムを作っていただきたいと思います。

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塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。