電力会社を「辞める」理由がわかりませんでした。
このようなブログを始めましたので、様々なサイトやyoutubeなどをチエックしました。
電力会社に入社したものの何らかの理由で「辞めたい」「辞めた」という方がなんと多いことか。
私が入社した頃とは隔世の感です。
人も羨むような会社に入社しながら、なんで?
昔なら、家族や大学の先生、友達、さまざまに責められたと思います。
理由を言えとか詰問攻めでしょうね。
時代が変わり、電力会社も変わったことは事実ですし、就活生の考え方も変わっているのかなあと思っていました。
会社で働くことを「社畜」とか言い、フリーランスとして生きることがもてはやされる時代です。
そういうことなのかなと思っていました。
そう思っていましたが、よく調べてみるとそういうことではなかったようです。
もっと、電力会社の体質そのものに原因があるようです。
この記事でわかること。
- せっかく良い会社に入ったんだから、少々のことは我慢すべき。
などと年寄りじみた説教をするつもりはサラサラありません。
だいたいの理由を知りましたので冷静に言及したいと思います。 - その理由には「思い当たる節」があります。40年の経験からお伝えします。
- その上で、一点だけお聞きいただきたいことがあります。
辞めたい、辞めた理由。
- 人間関係が嫌でたまらない。
体育会系・保守的・閉鎖的な社風でパワハラが多い。
若者・まじめな人がつぶれる・辞めてしまう。 - いなか勤務に辟易としている。
- 飲み会が多く、休日に行事が多い(労働組合)。
仕事に無駄が多い。作業そのものも無駄だし、意味のない資料作りばかり。 - 会社そのものの将来に不安を感じる。
会社の先行きがわからない。 - こんなことをするために入社したのではない。
スキルが身につかない。(技術系)
大きく分けてこの5つでした。
前に電力会社には学歴によるヒエラルキーが確実に存在するというお話をいたしました。
②中間層 その他の国立大学+私立大学
③一般層 工業専門学校+高校卒
5つの「辞めた」「辞めたい」理由は、これに起因する事柄が多いと思います。
思い当たる節。
人間関係。
これを原因に挙げている方は入社して間もない方が多いようです。
入社後すぐに、研修の意味を兼ねて現場に配属されます。
事務系なら営業現場、技術系なら電力所か発電所だと思います。
現場に勤務すると職員の大多数は③層の方々です。浮くのは当たり前です。
①か②のあなたは「鵜の目鷹の目」です。
先輩も、いつか幹部となって自身の上司になるかもしれないと考えると、対応は困難です。
体育会系・保守的・閉鎖的と感じられるのも無理ありません。
自分たちのやり方で対応しているだけでしょう。
また何年か経つと、本社か支店に転勤します。
今度は同①②層との付き合いです。今度はライバルです。
そういう世界で段々と慣れていきベテランになっていくのが電力会社の教育政策だと思います。
いなか勤務に辟易としている。
これは水力現場に配属された方だったと思います。
発電所は火力以外は都会には作れません。早く辞めるべきかもです。
飲み会が多く、休日に行事が多い(労働組合)。仕事に無駄が多い。
これはコロナ禍でも同じでしょうか?昔はそうでした。
また労働組合関連の半強制的な休日出勤が多かった記憶があります。
③の層は組合活動に熱心です。
古い時代からの伝統もあるでしょうが、組合に貢献し、専従ともなると別の人生が開ける方もおられる
ようです。
仕事に無駄が多いということですが、その通りです。
無駄というか、技術現場のガバナンスを考えると、誰がやっても同じレベルのアウトプットが重要で、
形式的になるのもやむを得ずということだと思います。
会社そのものの将来に不安を感じる。
これはOBである私も危機感を共有しています。
※ https://denryoku-jyuku.com/kigyoutaisitu
こんなことをするために入社したのではない。 スキルが身につかない。
先に「いなか勤めに辟易としている」というかたと、このタイトルの方は是非お聞きいただきたいと思います。
「辞めた」方は遅きに失していますが「辞めたい」方は、電力会社を辞めたいのか、会社勤めを辞めたいのかをまず考えるべきだと思います。
ここが非常に曖昧です。
ここを曖昧なままで現実逃避すると、全ての事柄から逃避する人生に陥る可能性があるように思えます。
一度ご検討いただきたいのは下記です。
前に記載した記事です。
みなさんのイメージで、少し欠落している部分があります。
定年まで電力会社の仕事を続けられるのかどうかです。
ご承知の通り、2000年の大口電力自由化の際、他業種の業界参入が可能になる代わりに電力会社も他業種に参入できることとなりました。電力会社がガス事業に参入したことはコマーシャルなどでご存じだと思います。実はそれだけではなく、どの電力会社も20年間の間に100社近い関係会社を立ち上げています。
私が入社した時代には電気事業法により電力会社の地域独占は守られていましたが、2000年の自由化で、他社の電力参入障壁が撤廃されたものの、逆に電力会社も様々な新規事業に参入できるようになりました。
これはこれで大きなチャンスだったことは間違いありません。
電力会社にはもともと保有する優位な企業シーズがいくつかあります。
火力発電のために調達ルートを持つLNG、その余剰分を活用するガス事業、保有していた光ファイバー網を活用しての通信事業、保有土地を活用する不動産事業などです。
また分社化によって独立した送配変電会社などというのもあります。
さまざまな関連事業とか、従業員や社外人のジャストアイデアを事業化しているケースもあります。
どういう事業が相応しいかは、各電力ともさまざまです。
例えば、通信事業を例にとれば、東京電力は通信事業から撤退していますが、関西電力は自社グループのオリジナルブランドの携帯端末を販売するなど、温度差があります。
こういうグループ会社への転勤希望という選択肢もあります。
電力事業に馴染めないとしても、グループ全体としては「えっ、そんなこともやっているの?」というようなこともあります。
今は知りませんが、北海道電力が東京の八重洲で、北海道物産ショップを開いておられたのを記憶しています。
しかも、電力会社にどうしても残りたいという希望ではありませんので、人事当局も比較的柔軟に考えるようです。
電力会社の給料で出向するケースと転籍してしまうケースがあるようですが、辞める前に一度ご検討されてはいかがでしょうか。
これだけ大組織になると、案外、自身と全く関係のない部門でどのような仕事をしているのかは知らないというケースも多いです。