【勝手に解説】電力会社別一記事シリーズ第3弾。
北海道、北陸に続き、東北電力です。
特殊な電力会社です。
特殊性はもちろん東日本大震災です。
東北電力が保有する、女川・東通原子力発電所は両方とも大きな影響を受けることはありませんでした。
それだけでなく、計画通り停止した女川発電所は被災した地元の方々の避難を受け入れていたという噂も耳にしました。
東京電力と違い東北電力は、電力業界の一員という意味では「加害者」、地元の電力会社という意味では「被害者」です。
上記女川発電所でのエピソードは、加害・被害、両面からの対応だったのでしょう。
発災から10年以上経過しましたが、被災者の心情は何も変わっていないと理解すべきです。
入社している人に「辞めたい」などというのは許されるのでしょうか。
被災者は「被災者」を辞めることはできません。
これから入社する方も、他の電力会社とは全く違う仕事をイメージして入社されるべきでしょう。
政府が原子力の再稼働と新増設を容認しました。
東北の方はその方針を受け入れるでしょうか。
ノーだと思います。
その状況下で、どんな覚悟やマインドを持っていただきたいか、私の考えを述べさせていただきます。
恒例の条件を事前に明記します。
- 該当電力会社のサイト・SNSは全部チェックします。
上位表示されるのは口コミサイトですが、読み込みはしますがそのままは載せません。
理由は、著作権の問題/記載が転職に成功した人に偏りがち/掲載者の意図を感じる。
の3点です。
でも面白い記載もありますので、その場合は私のバックグランドとかの考察を加え、自分の言葉で書きます。 - 一つの電力会社を除いて、私の主観ですので、ご理解ください。
- 前にも書きましたが、今でも家族ぐるみの付き合いから、ほとんど知り合いのいない電力会社まで濃淡があります。
聞ける限りは聞きます。
また沖縄電力、J-POWER(旧電源開発)、日本原子力研究開発機構(旧動燃事業団)には、全く知り合いがおりませんので、割愛させていただきます。
記事の構成としては前に記載した5つの理由+電力会社に顕著な学歴による区別。
※電力会社を「辞めたい」とか「辞めた」方が多いのに驚きました。
- 人間関係が嫌でたまらない。
体育会系・保守的・閉鎖的な社風でパワハラが多い。 - いなか勤務に辟易としている。
- 飲み会が多く、休日に行事が多い。
仕事に無駄が多い。作業そのものも無駄だし、意味のない資料作りばかり。 - 会社そのものの将来に不安を感じる。会社の先行きがわからない。
- こんなことをするために入社したのではない。スキルが身につかない。(技術系)
- 学歴による厳然としたヒエラルキーの存在。
①頂上層 東大・京大+地域のトップ国立大学卒
②中間層 その他の国立大学+私立大学
③一般層 工業専門学校+高校卒
この6点を当該電力会社に当てはめながら評価してみたいと思います。
東北電力です。
前の記事で、失礼ながら、
- イメージとして、東京電力追従型、語弊があれば一体型という印象です。
- ただ社員の方の雰囲気、寡黙で我慢強く、心底優しいというイメージです。
東日本大震災は東北人だから乗り越えられた、と言われますが、まさにその通りと思います。
東北も北海道と同様、大震災にも耐えた女川発電所の再稼働を急ぐべきと考えます。
と記載いたしました。
※大手電力会社就職、おすすめ比較。企業体質は微妙に違うようです。
話題がそれますが、エピソード2件。
- 電力業界には「次世代層対策」という業務があります。
将来を担う子供達にエネルギー問題を知ってもらおうという試みです。
電気事業連合会での取り組みの際、東北担当になり女川発電所の地元、石巻市のある小学校に何度もお邪魔しました。
海岸沿いの景色の素晴らしい建物ですが、津波で学校ごと流されたとのこと。
生徒たちがどうなったか怖くて聞けませんが、悲しいです。 - 現役時代、同僚に原子力出身の女性技師がいました。
福島第一の地元中の地元出身者で、実家は商店だったそうです。
自宅は流出しましたが、父親は頑として補償金を受け取らなかったそうです。
「東電さんには何十年もお世話になってきた。
娘も会社は違うが業界で世話になっている。
こんなことが起きることも覚悟の上で原子力を誘致したはず。
補償金などもらえるはずがない。」
ということで旦那さんともども悩んでました。
その後どうなったかフォローしていませんが、This is 東北人?
いなか勤務に辟易
北海道電力と同様、大変多かったです。
鬱になって精神科に何年も通う羽目になった。
生活に不便で、離婚してしまった。
というような口コミがありました。
東北人の我慢強さが影響しているのか、みなさん内に籠って行くような書き方で心配です。
北海道のずっと道内は嫌なので、東京勤務したいというのと対照的です。
このくらい割り切られた方が人生は楽しいような気がします。
会社そのもの将来が不安。
これは他電力と比べて圧倒的に多かったです。
大災害があったので当然でしょうか。
震災後、給料が激減。
震災後、待遇・将来性・仕事が激変。
何年経っても戻るような気がしない。
当たり前じゃないですか!
冒頭書きましたが、同じ東北の方には基本的な生活も戻っていない人が大勢おられるのではないですか。
自分のことだけでなく、地元と一体で本当の意味で復興につながるような発想を持ってください。
地元の方の意見です。
東北電力さんは何があっても頼れる。
- 地域に根ざしている。
- 再エネの取り組み取り組みが積極的。
- 災害時の対応力が高い。
なかなか評判はいいですよ。
学歴による厳然としたヒエラルキー
- 学歴以前に正社員と準社員という身分があり、年収で大きな差。
これは意味不明でした。準社員、派遣社員のことですか? - 学歴もないのに仕事の難易度が上がった。
分不相応で困った。(何という自信のなさ。東北人の優しさの裏返し?)
結論
私の東北人のイメージは元同僚女性のお父様のように、無口だが義理堅く意思が固いというものでした。
いろいろ心情的にはあるけれども、地元のためにもう少し頑張ります。
という気持ちの社員が多いのかと思いきや、そうではなく少しがっかりしました。
我慢強さの裏返しのような「自信のなさ」さえ感じてしまいました。
まだまだ東北電力にはやるべきことが横たわっています。
以下勝手に解説。
勝手に解説。
前にも書きましたが、東北電力と東京電力は追従型・一体型イメージと申し上げました。
事実、口コミにも「東電の動向ばかり気にしている」というのもありました。
一刻も早く脱却すべきです。
誤解を恐れずに言うと、東京電力は加害者、東北電力は被害者です。
しかも今や兄貴分の電力会社といえども、競合会社です。
原子力
原子力の再稼働・新増設はどうでしょう。
技術的には問題ないと思いますが、心情的には無理でしょう。
と言うより、東北に原子力は本当に必要ですか?
東日本の50Hz地域の広域的な供給安定性を考えれば、判断は難しいですが、これまでは首都圏のために頑張って来られたのではないでしょうか。
大震災では、東北電力の原子力の健全性は確認できていますが、どうするかは東北電力の都合で決定されるべきです。
風評被害
福島第一事故によって溜まりに溜まった処理水の海洋放出が始まります。
放出の安全性は十分に確認されていると思いますが、唯一読みきれないのが「風評被害」です。
被害にあった産品の買い上げや、販売は東京電力の仕事ですが、東北電力は地元企業として、どう被害者に寄り添った対応ができるか、社の明暗を左右するような業務だと思います。
若い発想で色々考えてみていただきたいと思います。
再生可能エネルギー
関西電力が蔵王での風力開発を申し入れが頓挫しました。
さまざまな経緯があろうかと思っていますが、基本的には「なんで関西電力?」だと思います。
東北は面積も広く海岸線も長く、最も適性のある地域ではないでしょうか。
何よりも住民感情からも再生可能エネルギー適合模範地域ではないでしょうか。
分散型電源
※電力自由化、ビシネスモデルは地方にあり。パラダイムシフトです。
でも申し上げた、新しいビジネスモデル。
是非、実現いただきたいと思います。
送配電設備の再構築
普通なら「強靭化」ですが、あの津波の映像を見ると「再構築」としか表現できません。
もちろんプロなので、復興の「いの一番」に対応されたと思います。
でも、今後もあのようなことがないとは限りませんし、事実、北海道千島海溝での大地震の可能性なども伝聞されています。
やるべきことは他電力とはかなり内容が異なり、しかも多岐にわたるものだと思っています。
今後の業務を想像しながら自分自身のスキルを考えることが重要だと思います。
東北電力さんに関しては「辞めたい」と言うのは、しばらく横に置いていただきたいです。