東日本大震災=東京電力福島第一発電所事故から14年。
改めて、犠牲になられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
当時、筆者は電力会社とは全く異なる業界に長期に出向しており、内部と外部のニュートラルな領域に居たため、内部事情に詳しく、しかも事実を客観的に見れる立場に居ました。
電力会社の悪しき企業体質もよく理解しており、
※【勝手に解明】ついに本丸。東京電力と関西電力はお勧めできません。
関西電力ともども、就活生諸氏にお勧めしない会社として、2年前にご紹介いたしました。
少し反省しています。
身近な会社なので言及し過ぎた部分もあり反面、時が経過し更に糾弾すべき点も見られます。
ただ、先入観のない就活生に伝えるには少し感情的すぎる記事だったように思えます。
現状を見据えると東京電力の選択も一手、と思い直しました。
まだ少し感情が入りますが、今回は皆様が客観的にご評価願います。
ブラックな「行動」
福島第一発電所事故が起きたことはしかたないとして、その後の対応は目を覆うべきものでした。
前にも指摘しましたが、初期対応からとんでもない対応だったと思います。
- 福島事故後の「炉心溶融」を絶対に認めず「廃炉」という言葉も口しない。
- 再稼働を意識した、傲慢にすぎる記者会見。
- 事故後テレビ会議での本社意向の押し付け。
- 東電柏崎刈羽原発での安全対策工事未了の内部告発。
- 福島事故記念館での土産物販売。柏崎刈羽原発中央制御室での幹部の警備破り。
いずれも企業体質に起因する不祥事ですが、ああ東電なら仕方ないな。というレベルです。
これは、学生諸氏が東京電力に就職される際に是非ご認識いただきたい企業文化です。
ブラックな「社員」
ただ一点。筆者が未だにわだかまっている企業文化があります。
従業員管理です。
具体的には、福島第一発電所の故吉田所長に関する会社の対応です。
門田隆将「死の淵を見た男」に仔細を譲りますが、この一連の事故処理の際、吉田所長はガンに罹患されておられました。事故収束までの所長の活躍ぶりは、同著の映画化版に文字通りドラマチックに「Fukushima 50」に描かれています。
テレビ会議による日本政府や東電幹部からのディスターブを跳ね除け、孤軍奮闘されておられました。
戦艦「大和」轟沈の際、大和と運命を共にした有賀艦長のごとく、すべてを見届け、門田隆将氏の取材を終え、間もなく「鬼籍に入られました」。
大変な責任感、尊敬すべき方です。
とは思いますが、時代は太平洋戦争末期ではなく平成の世、これでよかったのでしょうか。
本人のご意向は理解できます。
事故の翌日が精密検査の予定日だったそうです。
会社は、首に縄を付けてでも病院に行かせるべきだったと思わないですか?
「余人をもって代えがたい」 : 大東京電力がそんなはずありません。
「現場責任者に責任がある」 : 経営責任はうやむや。原子力担当役員もいたはず。
「病気を知らなかった」 : 別の意味で大きな責任回避。労務管理は。
「テレビ会議でのディスターブ」: ストレスが病気に悪いことはわかっていたが政府が。
これだけは絶対に許せません。
現状はどう変貌してかわかりませんが、14年前はこれが東京電力の労務管理の現実でした。
さらに一般社員にも以下のような大バカ者がいます。
ネットで発見しました。
ほかの部門はその尻拭いを散々にさせられた挙句ボーナスも無し、給料も未だに削減中。
ただのとばっちり。
会社がやらかした一大事に比較して待遇はそれほど悪くはない。
バックに国がいるから、絶対に潰れない。
転職して痛い目に遭うより現状維持で、踏ん張る方が賢い選択。
無理やり加害者意識を植えさせられるが、自分には関係ない。
反省しているフリをして、仕事して給料貰えればそれでいい。
電源三法交付金以外にも膨大な補償金や迷惑料みたいなものが支払われていたと思う。
分配や浪費するのではなく、今回のような事態を予想して、プールしておけば対応できたのではないか。
福島事故の賠償金を受け取ろうとする人には、是非思い直していただきたい。
「火事場泥棒」と言われないためにも。
吉田所長が存命なら、どう思われるでしょう。
みなさん、個々の判断に委ねます。
守れない「約束」
- 福島第一原子力発電所の廃炉は40年で完了という見通しでした。専門家の間では到底不可能というのが定説です。
米国のTМI原発が58年かかってまだ終了していないことを知りながらの工程。
どうなるのでしょうか。 - 柏崎刈羽原発の再稼働が2029年8月に延期。テロ対策の不備ということですが、根底には規制委員会や地元新潟県との対応に問題があることは明らかです。
- しかも2023年度料金値上げには、6・7号機は2025年度再稼働を織り込んだ試算だったと記憶しています。東電の電力料金は大丈夫?ということが話題にもあがりません。
- これは東電ではなく、経産省に対する疑問ですが、更なる電力システム開発はどうなったのでしょうか。しかも「解体的な」という話もありました。東京電力は当時のまま厳然と存在します。
何の根拠もないその場しのぎの無理な約束。
達成努力とは真逆の行動。
どうやって乗り切るのか、と思っていました。
こんな会社に入社するのはやめなさい、と思っていましたが考え方を変えました。
勝手に解明。
前作では、こんな会社なんで、入社は思いとどまるべき。と思いました。
若い力で会社を変えてほしい。と記載しようと思いましたが、このガチガチのヒエラルキーを崩すことはできません。
そもそも「世界一の電力会社」と豪語していた人たちですから、新入社員に言われたから考え方を変えます、なんてなるはずがありません。
- これほどの企業の体質を変えようと思えば、政府・役所などの強権発動が必須ですが、相変わらずの「護送船団」で、だれもが思った「解体的電力システム改革」など話にも出ません。
- 責任を問われたはずの、会長・社長・副社長・技術フェローは無罪放免。
- ご案内の通り、東京電力は事故で莫大な賠償責任を負っています。 なぜ破綻しないのか。
誰もが不思議です。
答えは 「必要なときに必要なだけのお金を受け取れる仕組み」があるからです。
官民共同出資により設立された「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(支援機構)」の資金援助の仕組みです。元はといえば、税金と電気料金です。 - 政府以外に他電力にも出資を頼んでいます。電力業界といっても事故当事者ではないので金銭支出する理由がありません。
したがって、今後の原子力災害に備えたファンドという形です。
しかも設立は、2011年9月。事故が起きてからの後付けのファンド。
「世界一の電力会社」が下々に助けを求めています。 - 前にも記載しましたが、2023年の料金値上げでは、柏崎刈羽6・7号機の再稼働を入り込んでいます。しかし国も東電もマスコミも全く話題にしません。逆にAIの進化に伴うデータセンターの需要増を目論んでいます。本当に料金値上げは必要だったのでしょうか。大幅利益が出れば還元するのでしょうか。
結論です。
前作では筆者自身の感情が先行し、関西電力とあわせてミスリードしたような気がします。
ことここに至っては、東京電力の屋台骨が揺らぐようなことはあり得ないような気がしてきました。
狭き門だと思いますが、入社が許されるのであれば是非検討されるべきと考えます。
国策企業はかくも堅固で強大です。
<参考>
メーカーや流通と違い、電力会社の仕事は、外部からみていても本当にわけがわかりません。
筆者は「実は転職希望が多い理由はここでは」と思い至り、他には絶対にないお仕事解説記事をアップいたしました。事務・技術別に「超具体的に」解説いたしました。
文系(事務系)のコンテンツは下記です。
みんな知らない電力会社のお仕事。 超具体的解説:文系(事務系)。
理系(技術系)のコンテンツは下記です。
みんなの知らない電力会社のお仕事。超具体的解説:理系(技術系)。