【勝手に解明】北陸電力はホワイト企業。でも辞めたい社員もいます。

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輪島朝市 就職・転職

【勝手に解説】電力会社別一記事シリーズ第2弾です。
北陸電力について解説させていただきます。

2024年1月1日、16時06分。
能登半島を中心とした北陸三県に最大震度7の大地震と、それに伴う津波が襲いかかりました。
わたしが体験した阪神淡路大震災と同様、大震災の爪痕はいつも心をえぐるような映像です。
さらに9か月後、追い打ちをかけるような豪雨災害。
打ちひしがれ、ようやく立ち上がろうとする地元住民の方々の気持ちを、完全にへし折る自然の仕打ち。
千里浜、朝市、などの観光と細々とした漁業で、慎ましやかに生きる人々を襲う激しい神の怒り。
一体何が起きているのか、想像を絶する様子です。
サムネールの写真は、何度かお邪魔した輪島の朝市。見る影もありません。
日焼けした皺だらけのおばちゃんの優しい笑顔が思い出に残っています。
※驚きの新年の大震災に思うこと。

今回関連記事をリライトし、第2稿としてアップしていますが、北陸電力さんだけは2023/3月の初稿とは全く違う内容になっています。

北陸電力です。

今回の能登半島災害、「令和6年能登半島地震」の際、頻繁に登場した地名に「珠洲市」があります。
能登半島の最も先端に位置する市ですが、そのさらに先端に「珠洲市狼煙地区」があります。
何十年も前、この地区は原子力発電所立地候補地点でした。
驚かれると思いますが、地元北陸電力を中心に、関西・中部の3電力が共同で立地できないか検討していました。机上だけでなく、かなりの本気度で、地元交渉にも入っていた記憶しています。
なぜ頓挫したのかはよく覚えていません。
あの時、立地が進み、プラントが完成していたらどうなっていたのか、背筋が寒くなります。
少なくとも、北陸電力の志賀発電所よりは、炉心位置は震源に近く、大変な事態になっていてことは間違いありません。北陸電力に至っては、活断層近隣の原子力発電所を2か所も保有するわけで、想像を絶する事態になっていることも間違いありません。

この会社に入社すべきかどうか。
大変難しい判断だと思います。
原子力専攻とそれ以外にわけて言及します。
語弊があるかもわかりませんが、あくまで私見です。
その前提でお聞きください。

原子力専攻の方

初稿の際のご意見の中に、原子力部門の方から「スキルが身につかない」というご意見がありました。

北陸電力は2基の原子力発電所を保有しています。
志賀原子力発電所、1号機、54万kw、2号機135.8万kw。
2号機は平成18年運転開始で最新の沸騰水型軽水炉(BWR)で、再稼働を目指しておられます。
ただ発電所敷地内に多くの活断層があり、これに活動性があれば再稼働はありないと、原子力規制委員会は判断されています。
結果、原子力を専攻し陸電に入社したが、入社して1回も発電所は稼働していない。
このまま定年まで稼働できないのではないかと思ってしまいます。
それだけでなく、会社もなくなるのでは。
今のうちに自分の生き様を考えるべきかもしれない。
参考:Business Journal

切実で、閉塞感と絶望感は察してあまりあります。
ホントに次の人生を考えるべきと思いました。

この記事を配信した直後に規制委員会がこれまでの見解を覆しました。
志賀原発敷地内の直下断層は「活動性はない」という見解を示した。
という報道が飛び込んできました。
入社して全く原子力が動いてないとの嘆き。
間違いなく前進で、暗闇に一筋の光です。
でもこれからです。反対派とか意味不明な裁判とかがのしかかります。

一筋の光明が見えたはずですが、今や規制委員会も北陸電力さんもなかなか話題にできませんよね。
動いたのは発電所構内ではなく、能登半島近くの海の中の活断層でもこの状況ですものね。
「定年まで発電所は稼働しないかも」という技術者としての落胆が重くのしかかります。
地元ご出身なら別の判断もあろうかと思いますが、もしあなたがそうでなければ他電力か、メーカー・
研究機関も選択肢として検討されたらいかがでしょうか。

原子力専攻以外の方

自然災害が相次いで、他の就活生が避けるから入社しやすいのでは。
こういう方はおられないと信じます。
もしおられたとしても、それこそ長続きするはずがありません。

今思い出すと北陸電力さんの場合「会社そのものの将来に不安」というご意見が多く、なかなか
強烈な印象が残っています。

  • 規模が小さいのに、少子化で顧客が減少し給料の大幅減があるのでは。
    北陸電力として細々と生きていくか、他電力や新電力に吸収されるのでは。
  • 全電力の中で一番小さく、切り捨てられたり大きな電力会社に吸収されるのでは。
    業界再編をリアルに感じる。
  • 富山にも、YKK、スギノマシーン、薬品など他にも良い会社があった。後悔しています。
  • 法令や役所の指示を遵守しようという意識が半端ない。
    結果新しいことに取り組む余力がない。
    でも誰もがそれで満足で、新しいことが出来るはずがない。

自然災害の恐怖が加わり「会社そのものの将来に不安」はさらに最大化しそうです。
また給料カットや電力会社の再編、ありそうな気もします。
ただ不安なことも多い反面、電力会社の業務そのものが不要になることは考えられません。
どんな形にせよ、あなたの雇用は守られるはずです。
そういう意味ではホワイト中のホワイト企業だと思います。

以下「勝手に解説」是非。

勝手に解説

電力会社の災害時の最も大きなミッションは、破壊された電力送電網や発電設備をできるだけ早く復旧し、被災地域に光と暖をお届けすることだと思います。
このあたりは当然、設備や保守技術者が認識すべきところですが、事務系社員に求めれれるのは、
地域ナンバー1企業・企業市民としてのビヘイビアーだと思います。
電力供給が終われば、はい終了ということではなく、痛めつけられた地域や地域の人々のために何ができるか、を考える。
特に地元ご出身の方にとっては、自分の町がどう復興するかの問題ですから、行政に預けっぱなしではすまないと思います。

是非その仕事に飛び込んでいただきたと切望します。
どこの電力会社に入ろうと、考えられるリスクです。

実際、北陸電力では、電力復旧計画・防災業務計画のほか
「災害に備えた電力レジリエンス(回復・適応能力)強化策」
など取り組んでおられます。

参考:電力会社のお仕事内容を事務系(文系)と技術系(理系)に分けて徹底的具体的
   に解説しました。

面接の予習として必ずお読みください。40年実際に努めた爺さんが書いています。
他には絶対にありません。
※みんな知らない電力会社のお仕事。 超具体的解説:文系(事務系)。
※みんな知らない電力会社のお仕事。 超具体的解説:理系(技術系)。
2025/2/17 第2稿
就職・転職
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塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。