電力会社は就職が難しい、資格も必要ではと悩む方が多いようです。

会社説明会 就職・転職

これまで、電力会社に入社できたものの「辞めたいです」。
という記事をいくつか書きました。
※電力会社を「辞めたい」とか「辞めた」方の多いのに驚きました。
※電力会社、辞めたいです。なんかフィーリングが合わないらしいです。
※電力会社、辞めたいです。原子力工学卒の女性から相談が来ました。

辞めたいという相談は今でもきます。
機会があれば、また記事にします。

今回は真逆ですね。
このブログは「就活生の電力塾」ですから、本来はこちらを先に記事にしなければダメですよね。
ネットをチェックしていると「辞めたい」ばかりが目立ったもので、後回しにしてしまいました。
実はよく探すと、この悩みも大変多いことに気づきました。
「電力会社は就職が難しい、資格も必要では」という心配は漠然としており、しかもあまりに主観的だと思って躊躇っていたこともあります。

ある意味、就活は競争ですから、ライバルが超優秀に見えるのかもしれません。
でも入社してみると、皆さんがビビっておられるような上司や部下にあまり出会ったことがありません。
「0」ではないですがね。
普通の奴がほとんどでした。
書いてみます。

  • 電力会社への就職は本当に難しいのか。
  • 電力会社に就職するには資格が必要なのか。だとしたら、どんな資格?
  • 人事はどんな観点で採用するのか。
  • 何か電力会社の就活に有利な方法はないか。
  • どの電力会社がお勧めか。

ただし絶対に忘れないでいただきたいのは、40年間電力社員を経験したとはいえ、古い経験で、しかも思い出しながらの話である事を認識願います。
少し後輩に確認しましたが、それでもアップデートされた情報ではありません。
参考、あるいは個人の経験談としてご覧ください。

まだ就活をしていないのにビビっている皆さん。
これを見て、自信を取り戻してください。

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心配し過ぎる皆さんへ。

電力会社への就職は本当に難しいのか。

何度かご紹介してきた、厳然と存在するヒエラルキーで言いますと私は「②中間層、その他の国立大学+私立大学」に属します。
その前提でお聞きください。

40年前、入社同期の中には、誰が見ても「光り輝くエリート中のエリート」東京大学法学部卒業という奴が5人ほどいました。
その他に超一流国立大学、有名私立大学。
こいつらと戦っても勝ち目ないよね、と「見える」奴らです。
就活生の皆様は入社前ですから、周りが全員こんな人たち見えるのでしょう。
無理ないです。
ただ幻影です。
確かに高校・大学と成績は抜群で、鳴り物入りで入社してきているのでしょう。
「光り輝くエリート中のエリート」で役員まで登ったのはたった1名。
その他1名が役員になりましたが、私立大学です。
その他の「光り輝く」人たちは今何をしているのかさえ不明です。
とにかく頭は良さそうですが、口数が少なく、学者の方がよかったのではと思える人たちでした。
学校の勉強ができるのと、サラリーマンとして成功するのとは全く違います。

入試ではないのですから、点数意外にも人間の評価を左右するポイントがあるはずです。
私は「コミニュケーション能力」だと思います。
極々一部の新入社員を除いて、皆さんが恐れているような人物はいません。
私が書いた3つのヒエラルキー以外、無視して問題なしです。
自信を持ってください。
「難しいのでは」の答えですが、少なくとも上場企業の就活なら同じだと思います

電力会社に就職するには資格が必要なのか。だとしたらどんな資格?

資格には3種類あると思います。

  1. 業務組織の中に、その有資格者がいなければならないもの。
    原子炉主任技術者、ボイラー技士などがこれに当たります。
  2. その資格を持っていれば有利なもの。
    電気主任技術者、電気工事士などですが、入社後配属箇所により、社命で取得させられるケースもあります。
  3. 知識として必要なもの。
    不動産鑑定士、英検など。

1.2.は技術系が多いですが、1.は重宝。
2.3.は「あっ、そう」という感じです。
資格のことを考えるのは入社し、配属が決まってからで十分です。
気にされるなら、入社したらこんな資格を取りたいです。
と言える程度でいいと思います。

人事はどんな観点で採用するのか。

他電力の友人が、うちは「1/3が頭脳、1/3がコネ、1/3が体力」と言ってました。
彼は東京六大学のラグビー部のレギュラーでした。
電力会社では、駅伝、サッカー、ラグビー、カーリングなんかが有名ですよね。
今も昔も、どの会社も体育会系は人気ですよね。

採用計画が毎年変わるように、採用のコンセプトも変化すると思います。
ある年は突然中途で採用してみたり、採用人数を大幅に変えてみたり、さまざまです。
ただ、基本線は変わってないような気もします。

先ほども触れましたが、体育会が好まれるのは「コミニュケーション能力」ではないでしょうか。
電力会社も今後ますます競争にさらされますし、真面目なだけで「コミュ障」みたいな人間はいらないということだと思います。
逆説的に捉えますとね。

また、当時「君たちを雇うと2〜3億の投資」とか言って脅されましたが、今や出向要員含めての採用なので、人事も少し気楽なのではないでしょうか。
逆にいうと、こいつはこのグループ会社。
みたいな採用をされている可能性もあるということです。

あと忘れないでいただきたいのは「入社試験」の成績を割合気にするということです。
どこかの企業のように「コミニュケーション能力」さえあって元気ならよし。
成績は関係ない、というまでの思い切りはありません。
当ブログを見て勉強してください。
若干のPRでした。

何か電力会社の就活に有利な方法はないか。

電力業界の問題点・論点を十分理解し、入社後はこういう風にやっていこうという定見をお持ちになってからだと思いますが、インターンシップというのはどうなんでしょう。
私の時代にはなかったので良く分かりませんが、入社に対する熱意とは捉えてもらえないのでしょうか。

私の時代には「リクルーター制度」というのがありました。
出身校に出向き、優秀な後輩を口説いて連れてこいという制度です。
私も一度だけ人事から頼まれたことがあります。
なんか後輩の人生を左右するのが嫌で1回でやめましたが、今でもあるのでしょうか。
OB・OG訪問で、リクルーターを見つけ、その人にアピールしたらどうでしょう。
2000年中頃の就職氷河期に中止していたかもしれませんが、これからは少子化。
売手市場になるのは間違いなく再開するのでは。
探ってみる手はあります。

どの電力会社がお勧めか。

これは完全に私の好みになります。
加えて、全部の大手電力会社に友達がいますので、そいつの印象限りです。

東京・関西・中部の3電力を「中3電」あるいは「中央3電」と言います。
電気事業連合会の会長も、この3社の社長が持ち回りで就任していました。
自分たちが業界代表と思ってます。
傲慢です。
ただ、東京・関西が原子力でバカやったおかげで、今は確か九州電力の社長が勤めておられます。

私がもう一度、電力会社に入社できるとしたら、この3社以外に入ります。
地元であれば最高ですが、そうでなくてもあまり気にしません。
「郷に入っては郷に従う」ということです。
会社の規模感も適当で、会社に愛着を持っている人が多いように思います。
地域ではトップ企業ですし、謙虚であれば周りから頼られ尊敬されます。

新電力はお勧めしません。
この理由は改めて記事にいたします。

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まとめ

確かに大手電力会社は一流企業で、入社は難しいような感じがします。
おそらく周りの就職希望者の雰囲気に圧倒されておられるのでしょう。
過度な心配は全く不要です。
「気の弱いヤツ」と見られるだけ損ですよ。
私も総合商社希望でしたが、全部落ちて電力会社だけ採用になりました。
電力会社は、勉強すべき内容の間口が広く、政府・経産省の考え方まで絡み鬱陶しいですが、入社されるとしたら損はありません。
資格とか気になることは、そうなってから考えればいいです。

真面目に神経質に悩み、考えるのは悪いことではありません。
でも電力会社はそうでないような人を欲しています。

就職・転職
塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。