電力会社から転職なんかできない、するべきではないと思ってました。

転職 就職・転職

電力会社から転職したいという方が多いというのは何度も書きました。
インターネットやSNSを可能な限り読み込みました。
私のブログにも数は少ないですが相談してくれた方のお話も伺いました。

良い会社に入りながら「隣の芝生は青く見える」の典型だと思っていました。
更に同期入社、現役の後輩などと話しているうちに、ハッと気づいたことがあります。
自問自答です。
「お前は40年間勤務したが、嫌になったことや、腹が立ったことはなかったのか。」
「振り返るといっぱいありました。」
「ではもう辞めよう、と思ったことはなかったのか。」
「何度もあった。」
「では何で耐えたのか。」
「そういう時代だった。」
「結婚、子供、自宅、ローン、責任感。」

こんな感じですか。
一言で言うと「○○感」が全て違っていたというのが私の結論です。
会社だけでなく、人生・家族・結婚、○○にどんな言葉を当てはめても、ほぼフィットします。

前に電力会社の体質として、

  • 学歴による厳然としたヒエラルキー。
  • 自分に甘く、他人に徹底的に厳しい。
  • 強いものに弱く、弱いものに徹底的に強い。

その極みが東京電力と関西電力の原子力がらみの不祥事とお伝えしました。
※電力会社の「人間関係」に悩むあなたへ。辞める前に読んでください。
※変わりたい変われない電力会社の企業体質。このままでは周回遅れに。

私が入社したのは昭和の中期、今は令和ですものね。
昭和初期の企業文化に新入社員がついていけるわけがない。
言い過ぎました。
ついていけない人がいても当然。
と思い至りました。
若い方に電力会社の企業文化を大胆に変えてほしいと言う気持ちはあります。
しかし、それだけではなく「転職」したいと考える方のためのの情報も書いてみる気になりました。

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サラリーマン人生、振り返り。

前に「辞めたい」と言う方の理由5点を列挙しました。
※電力会社を「辞めたい」とか「辞めた」と言う方の多いのに驚きました。

引用します。

  1. 人間関係が嫌でたまらない。体育会系・保守的・閉鎖的な社風でパワハラが多い。
    若者・まじめな人がつぶれる・辞めてしまう。
  2. いなか勤務に辟易としている。
  3. 飲み会が多く、休日に行事が多い(労働組合)。
    仕事に無駄が多い。
    作業そのものも無駄だし、意味のない資料作りばかり。
  4. 会社そのものの将来に不安を感じる。
    会社の先行きがわからない。
  5. こんなことをするために入社したのではない。
    スキルが身につかない。(技術系)

これを元に私自身の振り返りをしてみます。
決して、自分もこんなに我慢してきたのだから、あんたたちも少しは耐えなさい。
と言う意味ではありません。
当時自分はどうだったか、今どう思うか、以降「就職・転職」をテーマに何記事か書こうと思っていますので、テーマの切り口や記事の方向性を探りたいと言う気持ちです。

人間関係が嫌。体育会系・保守的・閉鎖的でパワハラも多い。

上司の指示は絶対。
明らかに指示が間違っていても、その上またその上がそう考えている。
幸い人間が多いので、意思決定者までは何人もの目が通る。
中に一人くらい、まともで詳しい人がおられるので、そこで修正される。
だからお前みたいな雑魚がゴチャゴチャ正論を吐いても、ごまめの歯ぎしり。
これは本当に現場の係長に言われました。
もっと酷い、記事にするに堪え難い言い方をされたこともあります。

タイトル通りですよね。
しかも、この係長が許せなかったら人間不信になりますよね。
何度も言いますが、ヒエラルキーの差もありますし、人としてどうかと思う人間もいます。

私は「これで良いなら楽でいい」と割り切りましたが、今の方のメンタルはそうではないのですね。

いなか勤務に辟易。

原子力が長かったので、いなか勤務は多かったです。
単身赴任も6年ほど経験しています。
技術系の人は諦めもつきますが、私は事務系です。
別にこんなところに赴任しなくても色々あるのに、と正直思いました。

特に地元の人の前でご挨拶する機会も多く、心にもないのに「第二の故郷です」などと発言した時など、自分で自分を責めまくりました。
私は特に単身赴任が嫌いでしたので「こんないなか大嫌い」。
と本音を怒鳴って逃げて帰ろうかと何度も思いました。

ここは同情します。
他のOBなら何を甘ったるいという感性だと思いますが。
でも技術系の方には「わかってるのに何で電力会社を選んだの」と言う疑問はあります。

飲み会が多く、休日に行事が多い。

飲み会は何かあるたびにやってました。
仕事の打ち上げ、歓迎会、送別会、好きですね。
これはライフスタイルの問題ですから放ったらかしとけば、と思いますが。
パワハラ対象となりますか。
こんなことが、転職理由となるとは、正直意外でした。
「電力会社の憂鬱」と言う小説にも書きました。
「出版」のメニューから是非!

休日出勤ではなく、休日の行事ですよね。
「労働組合」関係が多かったです。
休日行事そのものは何ともなかったですが、「労働組合」と言うコミュニティーが嫌いでした。
ユニオンショップですから仕方なかったですが、あまり積極的ではなかったです。

仕事が無駄。意味のない資料作りばかり。

人間関係のところで書きました。
付記します。
会社の意思決定は稟議書で行います。
稟議書の決済を取るのは大変ですが、それだけで済まないのが、わが電力会社です。
稟議書をあげる前の「方針伺い書」。
更にその前に、うるさいおっさんがいた場合の「○○課長説明書」。
何のこっちゃと言う感じです。
最後に稟議書の決済が終わったら仕事終わった感満載になります。
今から始まるのに。

書類がいっぱいで、ハンコがいっぱい押してあるのは責任分散による「安心感」のためです。
技術系の場合は、一定の技術水準を担保するためという目的もあり、仕方ない場合もありました。

会社そのものの将来に不安を感じる。

これは仰る通りで、私自身も現役時代から今も認識しております。
このブログでいろいろなところで書かせていただきました。

だから、若い皆さんに変えていただきたいということでしたが、導入で書いたように断念しました。
「転職」して見放すという方の気持ちもわかるような気になってきました。

スキルが身につかない。

「こんなことをするために入社したのではない」というご意見には既にコメントしました。

「スキルが身につかない」ですが、その通りです。
私は事務系ですが、原子力という技術現場にいて思い知ったことがあります。
電力会社の技術屋は、技術系の学校や学部を卒業したというだけで「技術者」ではありません。
「技術管理者」です。
本当の「技術者」はメーカーや工事会社にしかいません。
少し加えると大学の研究室の一部の人です。
電力会社の「技術者」の技術は、本当の「技術者」の知見を、いかにうまく機能させるかというマネージメント技術だけです。
あるいは本当の「技術者」の作ったマニュアル通りに動いているだけです。
現場には、偉そうにしている人が多いですが滑稽の極みです。
相手は発注元という感覚だけですが。

電力会社にいて技術スキルなど絶対に身につきません。
すぐに辞めて、本当に技術を学べる職場に行くべきです。
このタイトルは完全にアグリーです。

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今後のテーマ。

冒頭の通り「転職」をテーマに数記事書きたいと思います。
とりあえずですが、

  • 電力会社を辞めずに転職する方法。
  • 転職の具体的事例(私の周りの人)何記事か。
  • 転職先はどんな会社。
  • 転職と資格
  • 転職支援会社○選

という感じで書いてみます。

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塾長こと一村一矢

「電力会社就活塾塾長」こと一村一矢です。
電力会社のOBで、40年あまり原子力発電所を中心に勤務いたしました。
引退後は小説やコラムを書いています。電力ネタはあまり興味のあるモチーフではありませんでしたが、コロナ禍で企業や店舗がバタバタと倒れる中、電力会社への就職希望者が殺到という噂を耳にしました。 電力会社は今も安定企業なのでしょうか? 就活生のために私の知る限りの実態をお伝えいたします。